自筆証書遺言のメリット・デメリットは?法務局で保管も可能!

自筆証書遺言は手軽に作成できますが、リスクもあります

遺言書にはいくつか種類があり、それぞれ異なるメリット・デメリットを持ちます。
遺言書の種類の一つ、自筆証書遺言は手軽に作成できますが、遺言書が無効になってしまう可能性があります。
今回は自筆証書遺言のメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット・デメリットを知っておくことで、自分の状況に合った遺言書の種類を選ぶことができます。
自分の状況にあった遺言書はどれか気になっている方はぜひご一読ください。

自筆証書遺言の特徴は?

自筆証書遺言は、自分の財産を誰にいくら渡すのかについて、自分で手書きする遺言書です。
自筆証書遺言の書き方は民法第九百六十八条で決められています。

「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」

参照:e-Gov法令検索 民法 第九百六十八条(自筆証書遺言)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
(2024/04/17 利用)

このことから、以下のポイントをおさえて自筆証書遺言を作成します。

  1. 全文自筆で書く(財産目録はパソコンで作成可)
  2. 作成日を正確に書く
  3. 署名捺印する

他の遺言書の種類に比べ手軽に作成できますが、作成方法によって無効になりやすい遺言書です。

自筆証書遺言のメリットは?

自筆証書遺言の特徴を確認したところで、早速ですが自筆証書遺言のメリットをご紹介いたします。

  1. 手軽に作成できる
  2. 費用がかからない
  3. 必要であれば書き直しできる
  4. 遺言の内容を秘密にできる

メリット①手軽に作成できる

自筆証書遺言は紙・ペン・印鑑があれば1人で作成できます。
公正証書遺言の場合、事前準備として必要書類の準備、公証人との打ち合わせや証人の用意などが必要ですが、自筆証書遺言は紙・ペン・印鑑があればその場で手軽に作成できるのがメリットです。

メリット②費用がかからない

公正証書遺言の場合、公証役場で遺言書を作成する際に手数料がかかります。
自筆証書遺言は紙・封筒を購入する場合多少費用がかかりますが、作成時に費用はかかりません。
ただし自筆証書遺言でも相続の専門家と一緒に作成した場合費用がかかることがあります。

メリット③必要であれば書き直しできる

遺言書を作成した後、気持ちが変わった・所有する財産の状況が変わった場合、遺言書を書き直したくなるかもしれません。
前述した通り、自筆証書遺言は手軽に作成でき費用もかかりません。
そのため必要であれば手軽に書き直しできる点がメリットです。

メリット④遺言の内容を秘密にできる

自筆証書遺言を作成し封をすれば、内容を知っているのは作成した本人だけになります。
内容が他の人に知られるのは、作成した人が亡くなったあと、家庭裁判所で封を開けてからです。
公正証書遺言の場合、作成時に公証人と証人2人に遺言書の内容を知られることになります。
公証人・証人は守秘義務があるためそれ以外の人に内容を知られることはありませんが、「自分以外の誰にも内容を知られたくない」という方もいらっしゃるかと思います。
遺言書に何を書いたのか、作成した本人だけの秘密にできるのは自筆証書遺言のメリットです。

自筆証書遺言のデメリットは?

ここまで自筆証書遺言のメリットをご紹介しましたが、自筆証書遺言は万能ではなく、デメリットも存在します。
ここでは自筆証書遺言のデメリットをご紹介します。

  1. 正しい作成方法でなければ無効になる場合がある
  2. 発見されない可能性がある
  3. 隠蔽や改ざんされる可能性がある
  4. 検認が必要になる

デメリット①正しい作成方法でなければ無効になる場合がある

自筆証書遺言は正しい作成方法に従って書かなければ無効になる可能性があります。
例えば以下のような方法で作成してしまうと無効になる可能性が高いです。

  • 手書きで書かれていない
  • 他人に代筆してもらった
  • 作成日が特定できず、いつ作成したのかわからない
  • 署名捺印されていない

自筆証書遺言は自分で作成するため、正しい方法で作成できているか判断するのが難しいことが多いです。
無効にならないか不安な人は、相続の専門家に相談することで無効になる可能性を減らすことができます。

デメリット②発見されない可能性がある

自筆証書遺言は作成した人が自分で保管するため、家族は遺言書の存在を知らない場合が多いです。
そのためせっかく自筆証書遺言を作成しても、相続が発生したのに相続人から発見されない可能性があります。
遺言書の存在を家族に伝える、発見されやすい場所に保管するといった方法で自筆証書遺言が発見されない可能性を下げることができます。

デメリット③隠ぺいや改ざんされる可能性がある

公正証書遺言の場合遺言書は公証役場で保管されるため隠ぺい・改ざんは起きにくいです。
しかし自筆証書遺言は自身で保管するため、見つかった自筆証書遺言の内容が相続人にとって不利な内容だった場合、遺言書を隠されたり、内容を書き換えられたりする可能性があります。

デメリット④検認が必要になる

発見された自筆証書遺言は家庭裁判所に持っていき、検認してもらう必要があります。
検認とは、遺言書の存在・内容を確認し、隠ぺいや改ざんを防ぐための手続きです。
自筆証書遺言は検認するまで封を開けてはならず、検認して初めて内容を知ることができます。
遺言書の内容を確認しなければ相続の手続きを開始できないため、相続人からするとデメリットに感じられるかもしれません。

「自筆証書遺言書保管制度」の利用でデメリットを軽減できる

自筆証書遺言を作成したい人に必ず知っておいてほしい制度が「自筆証書遺言書保管制度」です。
自筆証書遺言書保管制度は、ご自身で作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度です。
自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、前述でご紹介した自筆証書遺言のデメリットを軽減することができます。

制度を利用する場合のメリットは?

自筆証書遺言書保管制度を利用すると、次のようなメリットが得られます。

  1. 作成方法が正しいか確認してもらえる
  2. 発見されない可能性を減らせる
  3. 隠ぺいや改ざんを防げる
  4. 検認が不要になる

メリット①作成方法が正しいか確認してもらえる

法務局に預ける際、法律で決められた自筆証書遺言の作成ルールに則って作成されているか確認してもらえます。
そのため誤った作成方法により無効となるリスクを減らすことができます。

メリット②発見されない可能性を減らせる

自筆証書遺言書保管制度を利用し自筆証書遺言を預ける際、「指定者通知」の申請をすることができます。
自筆証書遺言を書いた人が亡くなった場合、法務局から遺言書が保管されている旨を指定した相続人にお知らせしてくれます。
この通知により、遺言書が発見されないというケースを防ぐことができます。

メリット③隠ぺいや改ざんを防げる

法務局では自筆証書遺言は原本に加え、画像データとしても保管されます。
そのため自筆証書遺言の隠ぺいや改ざんの対策として、自筆証書遺言書保管制度の利用は有効です。

メリット④検認が不要になる

前述でご紹介しましたが、本来発見された自筆証書遺言は家庭裁判所で検認してもらう必要があります。
自筆証書遺言書保管制度を利用すると、法務局が遺言書を保管しているため検認をする必要がありません。
検認の手続きが不要になるため、相続人の負担を減らすことができます。

制度を利用する場合のデメリットは?

自筆証書遺言書保管制度を利用することで、次のようなデメリットがあります。

  1. 費用がかかる
  2. 内容によっては無効になる場合がある

デメリット①費用がかかる

自筆証書遺言を自宅で保管する場合は費用がかかりませんでしたが、自筆証書遺言保管制度を利用し法務局に預ける場合、手数料として3,900円かかります。

デメリット②内容によっては無効になる場合がある

法務局で自筆証書遺言の内容を確認してもらえますが、あくまで自筆証書遺言の方式に従って書かれているかを見るだけであり、遺言書に効力があるかの判断はしてくれません。
法務局が確認した自筆証書遺言であっても、内容によっては無効になる可能性があるため注意が必要です。
例えば作成当時認知症の疑いがあり、遺言書の内容を理解できていなかったと判断されると、自筆証書遺言の方式に従って書かれていたとしても、のちに無効になる可能性が考えられます。

作成方法の相談はできていますか?

自筆証書遺言は手軽に作成することができますが、法的なルールに則って作らなければ無効になってしまいます。
また特定の相続人に偏るような遺産分割の方法を書くことで、相続人同士でトラブルになるケースが多くあります。

  • 財産の渡し方を決めているが書き方に不安がある
  • 財産をどのように分けたらいいかわからない
  • 遺言書の種類をどれにするか悩んでいる

このような悩みをお持ちの方向けに、相続ぽるとでは相続に詳しい専門家による自筆証書遺言の作成サポートを行っております。
相談は無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

記事のまとめ

自筆証書遺言のメリット・デメリット、自筆証書遺言書保管制度する場合のメリット・デメリットについてご紹介しました。
自筆証書遺言は手軽に作成できますが、無効になりやすい方式です。
また気軽に作成できるとはいえ、どんな内容を書くか、しっかり考えなければのちにトラブルになる可能性があります。
自筆証書遺言のメリット・デメリットをおさえた上で、自筆証書遺言で遺言書を作成すべきか考えましょう。