やっておけばよかったと後悔しない相続対策!生前にできること・方法を解説

相続対策はできることから始めましょう。

相続対策って必要なのかな?と考える方も多いのではないでしょうか。
たくさん財産があるわけじゃないしな…と感じる方も多いかもしれませんが、やっておけばよかったと後悔してしまう前にできることが何か知っておくことは後悔しないために重要です。
本記事は相続対策とは何か。今からでもできることをご紹介します。

相続対策をしたいけどできることがわからない。どんな制度があるのかわからない。できることを何か一つでもポイント知りたい。
という方はぜひご参考ください!

相続の対策って必要なの?

「家族全員仲が良いから争いなんて起きない」・「争うほどの資産なんてない」そう考えている方も多いのではないでしょうか。

【画像差し込み】
御覧頂いた画像のように遺産分割で揉めてしまう相続財産の合計額は5,000万円以下の金額で約8割を締めています。
揉めてしまう原因は、相続財産の合計額ではなく財産の分け方です。

確かに税金関係の相続対策は、資産をたくさん持っている方たちが行う必要がありますが、遺産分割などの相続対策ではどの家庭でも必要になります。

相続対策の種類

相続対策は大きく分けて4つの対策に分類することができます。 「分割対策」「納税資金対策」「節税対策」「認知症対策」の4つの対策に分類する事ができます。

相続対策のできること①~分割対策~

分割対策とは後ほどご紹介する納税資金対策・節税対策よりも重要になる相続対策と言われています。
誰に・どのくらい・どの財産を渡していくのかを決めなくては資金の確保や節税対策などを始めることができないからです。
分割対策とは、一言で表すと「争族になる可能性への対策」です。
分割対策が相続対策の中で重要とご紹介しましたが、相続対策における分割対策は難しいです。
相続対策における遺産分割への対策には遺言書の作成があります。

【分割対策方法①】遺言書の作成

まず初めにできることは、遺言書の作成です。
誰に・どのくらい・何の財産」を分けるのかを被相続人(亡くなった方)が決める事ができる書類になっています。
原則遺言書がある場合には、遺言書に書かれている内容に沿って財産を分けていきます。
財産の分け方は3種類あり現物分割・換価分割・代償分割の3つにわける事ができます。

分割①現物分割

現物分割とは、相続財産ごとに受け取る相続人を決めて財産そのものを分ける方法です。
相続の分割の方法として最もイメージしやすい分割方法ではないでしょうか。

分割②換価分割

換価分割とは、相続財産(土地や不動産・株式)を現金に換金し相続人の間で分配する方法です。
財産を現金にするため、相続人全員に平等に分けることが可能です。

分割③代償分割

代償分割とは、特定の相続人が他の相続人より多めに財産を受け取る代わりに自分の固有財産の中から差額を支払う方法の事を代償分割といいます。
不動産などの分ける事ができない財産を持っている場合には、代償分割を行うことにより財産の共有を防ぐことが可能です。
一方で財産を受け取った方には他の相続人との差額を埋めるために自分の固有財産から差額分を支払う必要があります。

遺言書は効力が大きいため作成方法などの書式が決められており、不備があると無効になるケースもあります。
遺言書について知りたい方はこちらで詳しく紹介しておりますので気になる方はぜひ一度ご一読ください。

相続対策のできること②~納税資金対策~

相続対策としてできることの2つ目は納税資金対策です。
納税資金対策とは「相続税を収める資金をどのように確保するのか」です。
相続税には基礎控除枠があり[3,000万円+(600万円×法定相続人の数)]までの金額が非課税枠になり超えない場合は、相続税を支払う必要性はなく申告などの対応もしなくて良いです。
相続税の納税は原則現金一括納付が原則となっております。
相続税へのできることとして2点の対策が可能です。

  • 生命保険
  • 生前贈与

【納税対策方法①】生命保険

生命保険は受取人固有の財産という特徴をもっており、もとから受取人の財産という性質を持つため遺産分割の対象となる財産には入りません。
遺産分割の対象となる財産ではありませんが、被相続人が亡くなった事を原因として受け取れる財産になるため相続税の課税対象財産(みなし相続財産)となります。
ですが、生命保険にも一定の非課税枠があるり[500万円×法定相続人の数]を超える金額でなければ相続税は課税されません。

【納税対策方法②】生前贈与

納税資金対策としてもう一つのできることは生前贈与です。
生前贈与とは被相続人が元気な間から少しずつ財産を贈与する事を生前贈与と言います。
現金や有価証券(株・証券)などの換金性の高い財産を生前贈与する事で将来の納税資金への対策になります。
また収益不動産(マンションやアパートなど)で発生する家賃などの収入は相続財産には含まれませんのでその利益を活用して納税資金へ充てることが可能です。
一方で不動産などの評価額の大きい財産を贈与する場合には贈与税が課税される可能性もありますので専門家に相談することをおすすめします。

相続対策のできること③~節税対策~

相続対策としてできること3つ目は節税対策です。
相続対策を行いましょう!という言葉を聞いて真っ先に思い浮かぶものだと思います。
相続税への対策は「課税される相続税を減らす対策」です。
できることは次の4つです。

  • 財産の評価を下げる
  • 不動産の活用
  • 財産を減らす生前贈与
  • 控除額を増やす養子縁組

以上の3つができる相続対策となります。

【節税対策方法①】財産の評価を下げる

相続税へ対策としてできることの一つは財産の高い資産(不動産・貴金属や宝石・絵画・高級車)の評価を下げることです。
特に不動産には小口化商品という商品があり、活用することで実勢価格と相続税評価額の差によって最大80%資産の圧縮が可能です。

【節税対策方法②】不動産の活用

相続時に不動産を受け取る場合には、小規模宅地等の特例を活用する事が可能なため最大80%評価額を下げる事が可能です。
こちらはマンションやアパートでも活用することができますが、小規模宅地等の特例には適用要件がありますので、専門家に相談することをおすすめします。

【節税対策方法③】生前贈与

納税資金対策でもご紹介しましたが、生前贈与には節税効果もあります。
生前贈与を行うことで、贈与財産が増え、相続財産が減ります。
相続財産が減るということは相続税が課税される可能性が減っていくため生前贈与は節税対策としてできることの一つになりますが、一度に多額の贈与をしてしまうと贈与税が課税されたりします。
贈与税は相続税よりも税率が高く設定されているため、贈与する際には基礎控除である110万円を超えない贈与をする事が重要になります。
生前贈与を活用する場合には、専門家と連携して行う事をおすすめします。

【節税対策方法④】養子縁組

節税対策でできることの4つ目は養子縁組です。
相続税の基礎控除は[3,000万円+(600万円)×法定相続人の数]です。
基礎控除枠を大きくするためには法定相続人の数を増やせば控除枠が大きくなります。
養子縁組を活用すれば法定相続人の数を増やすことが可能です。実子がいる場合は1人・いない場合は2人まで縁組をすることができます。
しかし孫を養子縁組した場合、孫に課税される相続税は2割増しで課税されます。これは相続の課税を孫の代、つまり1世代飛ばすことになるためです。
養子縁組に関しては候補の一つとして考えると良いでしょう。

相続対策のできること④~認知症対策~

相続対策では今までご紹介してきた分割・納税資金・節税。この3つが基本の柱としてできることが考えられてきました。
しかし近年、「65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、平成24(2012)年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)であったが、37(2025)年には約5人に1人になるとの推計もある(図1-2-11)。」

出典 「平成29年度版高齢社会白書 概要版」(内閣府)より(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_2_3.html)(2023年8月15日 利用)

ご紹介したように認知症の患者の推移は2025年には5人に1人がなると予測されています。
ご家族の誰かが認知症になってしまうと遺産分割協議などの話し合いなどができなくなってしまいます。
認知症対策としてできることは、家族信託・任意後見制度の2つです。

【認知症対策方法①】家族信託

家族信託とは、信託契約に基づいて行う財産管理方法の一つです。
資産を持っている方(委託者)が信頼できる家族(受託者)に託し、財産を管理・運用・処分する仕組みの事を言います。

家族信託は他の認知症対策よりも、できることが多く自由度が高いと言われています。
家族信託は、委託者の意思能力がないと判断されたとしても、資産の管理・運用・処分が可能なため、自分にあった財産管理が行なえます。
また、家族信託は遺言書のような効力を発生させることができることの一つのため、遺言書がなくても同じ効力を発生させることができます。

家族信託は認知症になってしまった後から契約をすることはできなく、あくまで財産管理の方法の一つのため直接的な節税効果はありません。

相続ぽるとでは、オリジナルの家族信託サービス-しあわせトラスト-を行っております。
家族信託は一般的に費用が高くなりますが、しあわせトラストは49,000円~始められ、ご家庭に合ったサービスとしてお届けしております。
受付は下記ボタン・もしくはサービスページから、いつでも受付をしておりますので少しでも気になる方はぜひ一度お申し込みください。

【認知症対策方法②】任意後見制度

認知症への対策としてできることの2つ目は任意後見制度です。
認知症などの判断能力が不十分の方に代わり契約などの法律行為をする人を事前に決めておける制度のことです。
身上監護といい、生活や介護・医療などの契約行為が可能です。
しかし、任意後見制度はあくまで本人の財産を守るための制度です。
そのため家族信託のようにその資産を使用して資産運用を行うことや、不動産(マンションやアパート)の売買などは行えません。

【番外編】祭祀財産の事前準備

相続対策の一つとして「生前にお墓などを購入しておくと良い。」と聞いたことはないでしょうか。

墓石や神棚などは祭祀財産(さいしざいさん)といい、相続時には相続税が課税されません。

これは仏壇や神棚などは礼拝目的などに利用するための器具や道具だからです。

祭祀財産は大きく分けて3つです。

祭具位牌、仏壇、仏具、仏像、神棚、神具、神体などの礼拝や祭祀に使用する器具等
墳墓墓地、墓石、棺などのご遺体や遺骨を葬ってある場所や道具
系譜家系図、家系譜などの血縁関係を証明する物

祭祀財産などが非課税枠として扱われるためには次の2点に注意しましょう

  • 既に完済していること
  • 高額すぎる財産は課税される

墓石は費用が高額なことから生前に購入しておけば相続対策になります。

一方で費用が高額なためローンでの購入を検討している方も多いのではないでしょうか。墓石などの完済前に亡くなってしまった場合、ローンは相続財産で差し引く事は出来ませんので注意しましょう。

また高額すぎる祭祀財産を購入してしまうと、「相続税逃れ」と判断し祭祀財産と認めなられず相続税対策にならない場合もありますので注意しましょう。

今すぐできることは?

相続対策において今すぐにできることは以下の点です。

  • 相続人を把握する
  • 財産状況を把握する
  • 自分の相続に関する意見を話す

今すぐできること①相続人の把握

相続が開始されてから相続人を把握していると時間がかかってしまいます。
そのために、今のうちから相続人が誰になるのかを把握しておくことで相続が発生してもスムーズに手続きを行う事が可能です。

今すぐできること②財産状況を把握

こちらは明確に相続財産がどのくらいなのか。ということではなく財産が今のどのくらいあるのかを把握する事ができることの一つです。

実際の相続では財産がいくらなのかを明確にする必要がありますが、まず初めにできることは財産がどのくらいあるのか(大体〇〇千万かな?)と把握することが重要です。
相続では借入金や未納税金なども相続財産に含まれます。相続を承認するか放棄するのかなど様々な選択が可能です。

今すぐできること③自分の相続に関する意見を話す

相続対策を考えているけれども親に切り出せない。というご家庭もあるのではないでしょうか。
相続対策の話はセンシティブな内容の話のためご家庭によって不和が広がる可能性があります。
そのためにできることは、兄弟姉妹や仲の良い親戚に話してみることです。

相続対策に早すぎることはありません!

相続対策は早すぎて損をすることはなく、できることから少しずつ始めていくことが重要です。
親の調子が悪いって聞くからそろそろ相続対策やらなきゃな…と考える方も多いですが、その時からの対策はギリギリ。もしくはアウトの可能性が高く相続における問題はいつ起こるか誰にも予測ができません。


相続対策は早いうちから専門家と協力をすれば、対策できることは複数あります。

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【記事のまとめ】

相続対策としてできることを4つの対策からご紹介してきました。

早いうちから生前贈与や相続対策を行なうことで大きな節税効果への期待や円満に相続の手続きを行うことが出来ます。
自分の家庭でできることなんてあるのかな?と思うかもしれませんが、相続対策と直接関係していないようなコミニュケーションでもできることの1歩になります。
できることがわからない!という方は専門家に話をしてみることをおすすめします。現状の今だからこそできることを教えてくれます。個別でのご面談を受付けておりますのでお気軽にご相談ください。