法定相続分とは何?|他の制度との割合について解説!

法律で決められている財産を受取る割合が法定相続分です

誰がどのくらいの遺産を受け取れるかを決めるには遺言書がある場合とない場合で異なります。
遺言書がない場合は遺産分割協議を行い割分を決めますがその中に民法によって受け取れる割合があることをご存知でしょうか。
本記事では、法定相続分とは何かをご紹介します。
どんくらい受け取れるのか知りたい方・基本的な知識をつけておきたい方はぜひご参考ください。

法定相続分とは

冒頭でご紹介しましたが、民法では誰がどのくらいの財産を受け取れるのかの目安を定めておりその目安のことを法定相続分と言います。
原則遺言書がある場合は、必要ありませんが遺言書がない場合に財産を分けなければならない場合は遺産分割協議を行わなければなりません。
その際に目安である法定相続分を参考にして遺産分割を行います。

範囲と順位

順番が前後しましたが、相続には遺産を受け取れる権利がある人のことを相続人といい法定されている人の事を法定相続人といいます。
民法では以下のように定めています。

第1順位子ども(直系卑属)
第2順位両親や祖父母(直系尊属)
第3順位兄弟姉妹

参照:e-GOV法令検索 民法第八百八十七条 第1項・第2項(子及びその代襲者等の相続権)(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
(2023/08/25 利用)
参照:e-GOV法令検索 民法第八百八十九条 第1項 第一号・第二号(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
(2023/08/25 利用)

ご紹介したように財産を受け取れる人間は民法により定められており遺贈などの手続きを踏まない限りは、第三者に遺産を渡すことはできません。

配偶者は?

民法には配偶者に関する規定は明記されていませんが、原則配偶者は相続人としてカウントされます。

内縁の配偶者や連れ子はどうなる?

残念ながら婚姻関係がない事実婚状態の夫婦や連れ子は法定相続人には含まれません。
生前贈与などの贈与によって財産を分ける事が可能です。
法定相続人にするのであれば再婚などの手続きをする必要があります。

順位

実は法定相続人だからといい必ずしも財産を受け取れるわけではありません。

原則配偶者+順位が高い人で行うため、いくら権利を持っていても順位が高くなければ財産を受取ることはできません。
財産を受け取れる順番は以下の順番です。

第1順位子供(直系卑属)
第2順位親(直系尊属)
第3順位兄弟姉妹

順位も同様に法定されており、配偶者+順番が高い人とペアになり手続きを行います。

把握方法は?

法定相続人以外に相続権のある人を探すためには、家系図などを戸籍謄本などから作成し把握することをおすすめします。
家系図を活用して相続手続きを有利に進める事が可能な相続関係説明図を作成すれば、戸籍謄本を返還してもらえるなどのメリットがありますので作成することをおすすめします。

放棄した人も法定相続人としてカウントします

相続放棄をした方は始めから相続人ではないとされますが、法定相続人などの割合を計算する場合には放棄した人も含めて計算をします。

パターンによって法定相続分が異なります!

遺産を受け取れる割合なども法定されており、遺言書がない場合は参照しながら遺産分割協議を行います。
そしてその割合は配偶者が誰とペアを組むのかにより異なります。

配偶者のみ

子供や両親・兄弟姉妹・内縁関係の人などがおらず手続きをしなければならない場合は、遺産の全てを配偶者が得るます。

配偶者と直系卑属(子供)

配偶者と子供のペアの場合は、配偶者が2分の1・子供が遺産の2分の1。
子供が複数いる場合は、2分の1を均等に分けます。

配偶者子供
2分の12分の1(複数の場合は均等)

配偶者と直系尊属(両親や祖父母)

配偶者と両親(祖父母)の場合は、配偶者が3分の2・直系尊属が3分の1となります。

配偶者両親や祖父母
3分の23分の1

配偶者と兄弟姉妹

配偶者と被相続人の兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3・兄弟姉妹等が4分の1となります。

配偶者兄弟姉妹
4分の34分の1

計算方法は?

例えば配偶者と子どもが3人の場合は、配偶者が2分の1。子どもが3人のため6分の1がそれぞれの法定相続分となります。
配偶者と兄弟姉妹3人の場合は、配偶者が4分の3・兄弟姉妹は3人いるため12分の1がそれぞれの法定相続分となります。

他の制度との違い

法定相続分などの受け取る割合を把握するためには遺留分を一緒に覚えておくと良いでしょう。

遺留分との違い

遺留分とは、最低限保障される遺産を受け取る権利のことをいいます。
この権利は遺言書で最低限以下の割合をしていされていたとしても侵害することはできません。
遺留分の割合は、法定相続分の半分とされています。

侵害されたら遺留分請求が可能です。

この遺留分が侵害されていた場合は、侵害請求をすることが可能です。
一方で請求が可能なのは、相続開始から10年以内に行わなければ消滅しますので注意しましょう。

法定相続分の注意点

遺産分割の場合は法定相続分に注意しながら進めなければなりませんが、その際に注意しなければならない点をご紹介します。

養子の有無

養子縁組をした養子は血族と同様扱いとなるため法定相続人に含まれます。
ですが、実子が何人いるかによって法定相続人にカウントして良い人数が決まっております。

実子(嫡出子)がいる場合実子がいない(非嫡出子のみの場合
1人まで法定相続人2人まで法定相続人

遺留分に注意

先程もご紹介しましたが、法定相続分を考える場合には遺留分の注意しましょう。

揉めた場合は?

遺産の割合に関して話がまとまらない場合は、遺産分割調停。調停でもまとまらない場合は審判を行いましょう。
それでもなおまとまらない場合は、一度法定相続分で割合を決めたと仮定して相続税の申告をします。
その際に申告危険後3年以内分割見込書(3年以内に協議を行い修正して申告する手続き)を必ず提出しましょう。

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記事のまとめ

今回は遺言書がなかった場合に割合を決める法定相続分についてご紹介しました。
遺言書がない場合は放置素図億人が法定相続分に則り、遺産の配分を決めることが望ましいです。
そのためには順位や範囲・割合・用語などを正しく理解しなくてはなりません。
財産を受け取れる割合に関しては、一人ひとりの考え方が異なるため納得ができずに揉めてしまう可能性がありますので十分に注意しましょう。