子どもがいない夫婦の相続対策をご存じですか?
子どもがいない夫婦の相続において誰が財産を受け取るのか不安になる方も多いのではないでしょうか。
子どもがいない夫婦ならではのトラブルなども起きています。
この記事では子どもがいない夫婦の相続対策などを、財産を受け取れる人が誰なのかなどの基本ルールなどをおさらいしながら解説します。
遺産分割協議の基本ルールをおさらい
子どもがいない夫婦の相続についてお伝えする前にまずは相続における財産の分け方などの基本のルールからおさらいします。
遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行い財産の分け方(誰が・どのくらい財産を受け取るのか)を決めます。
遺産分割協議に決まった時期はありませんが、相続税の申告期限である10ヶ月を超えてしまうと追加で税金を納付しなければならない場合もあります。
相続は配偶者とのペアで行われます
相続は常に法定相続人の誰かとペアになって行います。なお配偶者は常に相続人となるため、[配偶者+相続順位の高い人]で行います。
法定相続人にも順位があります
相続人になれる人は法律で定められており「配偶者と血族」と限定されています。
この場合の血族とは以下のような人が対象となります。
- 子や孫などの直系卑属
- 両親や祖父母などの直系尊属
- 兄弟姉妹などの傍系血族(ぼうけいけつぞく)
また財産を受け取るには順位があり以下のような順位となっております。
第1位 | 子または孫(直系卑属) |
第2位 | 両親または祖父母(直系尊属) |
第3位 | 兄弟姉妹(傍系血族) |
参照:e-GOV法令検索 民法第八百八十七条 第1項・第2項(子及びその代襲者等の相続権)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
参照:e-GOV法令検索 民法第八百八十九条 第1項 第一号・第二号(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
子どもがいない夫婦の場合は、配偶者が全財産を受け取れるわけではありません!
子どもがいない夫婦の遺産の分け方に関して「配偶者が亡くなった場合は全財産を受け取れる」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしご紹介したように相続は、常に法定相続人とペアになって行います。
そのため子どもがいない夫婦の場合でも[配偶者+法定相続人]で財産をわけます。
子どもがいない夫婦の場合のペアは以下の通りです。
- 配偶者と両親
- 配偶者と兄弟姉妹
配偶者と両親
子や孫がいない場合、次に相続順位の高い両親。両親が既に亡くなられている場合には祖父母とペアになります。
配偶者と兄弟姉妹
両親・祖父母が既に亡くなっている場合、第3順位である兄弟姉妹とペアになります。
この場合、兄弟姉妹の子供である甥や姪などが対象になる可能性もあります。
子どもがいない夫婦の相続でのトラブル
子どもがいない場合に誰とペアになるのかをご紹介してきました。
ここからは子どもがいない夫婦の相続で起きてしまうトラブルをご紹介します。
兄弟姉妹や家族との不仲により遺産分割協議が進まない
子なし夫婦の場合、配偶者は義理の家族(両親または兄弟姉妹)の誰かと遺産分割協議をしなければなりません。
仮に義理の家族と不仲の関係の場合は、連絡が取れないなどの事から分割協議が進まない事があります。
不動産分割の話が進まない
これは子どもがいない夫婦に限られた話ではありませんが、不動産などの分けることが難しい財産を分けなければならない場合に揉めてしまうケースもあります。
仮に代償分割などを行う形になった場合には、代償金を配偶者が用意しなければなりません。
子どもがいない夫婦の相続で注意すべき事
子どもがいない夫婦の相続ではトラブルの他にも注意しなければならない事もあります。
内縁関係は相続人にはなりません
内縁の妻は法律婚の配偶者に準ずる社会に変化してきていますが、内縁の夫の死後の相続では内縁関係の妻には遺産を受け取る権利がありません。
遺留分に注意
遺言書がある場合は、遺産分割をする必要性はありません。
なぜならば相続において遺言書は最も優先される特徴を持っているからです。
しかし1番効力を持っている遺言書でも遺留分には注意しなければなりません。
遺留分とは、法定相続人が最低限の財産を受け取る権利の事です。
そのため遺言書を作成していても遺留分侵害請求があった場合には、話し合いが必要になり不和が広がる可能性もあるので遺留分に注意した遺言書を作成しましょう。
対策方法は何がある?
子どもがいない夫婦の場合のペア・トラブル・注意点をご紹介してきました。
ここからは相続においてトラブルにならない対策をご紹介します。
遺言書の作成
子どもがいる夫婦・子どもがいない夫婦どちらでも相続では遺言書を作成しておくのが重要です。
先程もご紹介しましたが、遺言書は財産の分け方を指定する事が可能であり分け方は何よりも優先されます。
そのため財産のほとんどを配偶者に相続し兄弟姉妹には相続させないなどと指定する事も可能です。
しかし、遺留分はたとえ遺言書でも侵すことの出来ない法定相続人の権利になっているため注意しましょう。
資産を把握し財産目録を作成する
財産目録の作成は遺言書と同じように子どもがいない夫婦関係なく重要です。
必ず作成しなくてはいけないモノではありませんが、遺産の把握など2活用することが出来ます。
生命保険
生命保険は相続対策の一つとしても活用する事が出来ます。
生命保険はみなし財産として課税対象とはなりますが[500万円×法定相続人の数]までは非課税になります。
確実に現金を配偶者に渡したい場合や代償分割を活用する際の代償金としても
生前贈与
生前贈与を活用して遺産の一部をあらかじめ配偶者に贈与していくのもトラブルを防ぐ方法の一つです。
生前贈与された財産は受取人の財産になるため相続財産に含まれないため遺産分割協議等で兄弟姉妹などに口を出される心配もありません。
生前贈与を受け取る際には課税制度を選択しなければなりませんので自分にあった課税制度を選択しましょう。
ご相談は相続ぽるとまで!
相続ぽるとでは子どもがいない夫婦の相続以外にも、相続のわからないをなくし明るい相続の入り口としてご利用いただいております。
子どもがいない夫婦の相続対策を知りたい・生前贈与の方法をもう少し詳しく知りたい・漠然とした不安を解決したいというかたはお気軽にご相談ください。
記事のまとめ
今回は子どもがいない夫婦の相続に関してご紹介してきました。
子どもがいない夫婦の相続でも遺産を受け取れるわけではありません。
また配偶者は義理兄弟姉妹や家族との話し合いになるため日常のコミニュケーションが重要になります。
子どもがいない夫婦の場合は誰とペアになるのかなど事前の対策が重要になります。
不安な方は相続の専門家にご相談する事をおすすめします。