遺産分割協議書って何?自分で作成ってできるの?
相続が発生すると相続財産をどのようにわけるかを決める必要がありますが、遺言書があれば基本的には遺言書の通りに財産を分割します。
しかし遺言書がない場合は、相続人全員で話し合い相続財産の分け方を決める遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成しなければなりません。
この記事では、遺産分割協議書の紹介から自分で作成することが可能なのかなどをご紹介します。
遺産分割協議書とは?
相続時に遺言書がない場合、相続人全員で財産の分配を決定する話し合い(遺産分割協議)を行います。
話し合いでまとまった分配を正式な書類としてまとめたモノが遺産分割協議書です。
法的に作成する義務はありませんが、口約束だけでは後に「話した・話していない」などのトラブルや「記載ミスがある」などのトラブルになる可能性があるため、きちんとした書類にまとめることをおすすめします。
遺産分割の割合は決まっています。
遺産分割協議書は遺言がない相続の際に活用する書面です。
相続財産を誰にどのくらい分けるかを決めますが、財産の割合は民法で決まっています。
民法では相続人の順位やどのくらいの割合を引き継ぐかを定めています。
相続人の順位や割合に関しては詳しくご紹介している記事がありますのでそちらをご一読ください!
遺産分割協議書に必要な書類一覧
遺産分割協議書を作成するには必要な書類があります。
必要書類は以下のような書類です。
- 被相続人の戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票と戸籍の附票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 実印と印鑑証明証
- 財産目録
上記書類以外にも必要になってくる書類は家族ごとで異なります。
作成時に不備をなくすためには、相続の専門家に相談する事をおすすめします。
作成の流れ
実際に遺産分割協議書を作成する際には次のような流れで作成まで行います。
- 相続人の確認と確定
- 相続財産の確認
- 遺産分割協議
- 遺産分割協議書の作成
詳しく解説します!
①相続人の確認と確定
相続が発生した場合には相続人の確認と今回は誰が相続人なのかを明確にしなければなりません。
戸籍や家系図を確認して相続人を決めなければなりません。
誰が被相続人なのかにより相続人は変わっていきます。
詳しく知りたい方は相続の基本を御覧ください!
②相続財産の確認
相続人が確定したら次は被相続人の財産を確認します。
相続財産には、預金・預貯金・不動産・有価証券などの他に借金や未納金などの負債も相続財産に含まれます。
財産目録という財産をまとめた書類を作成しておきましょう。
こちらも必ず作成しなくていけない書類ではありませんが、提出する機会がある可能性もあるため作成しておくと良いでしょう。
③遺産分割協議
財産が確定したらどのくらいの割合を誰に相続するのかを話し合う遺産分割協議を行います。
相続人1人ひとりに相続に関する考え方がありますので、話し合う回数が増える事を念頭におき、早めの財産目録の作成・日頃から家族・親戚とコミニュケーションを取りましょう。
相続人同士の同意が得られない場合は、遺産分割調停といい家庭裁判所とともに行います。
それでもなお合意が得られない場合は、遺産分割審判といい家庭裁判所が割合を決めます。
④遺産分割協議書の作成
遺産分割協議で相続人全員の同意が取れ、財産の分配が決まったら遺産分割協議書の作成をします。
遺産分割協議書は自分で作成できる?
ここまで遺産分割書を作成するまでの流れと基礎知識をおさらいしました。
ここからは遺産分割協議書は自分で作成することが可能なのか・作成方法などをご紹介します。
遺産分割協議書は自分で作成できます!
遺産分割協議書は専門家でなくても自分で作成することが可能なため作成できる人が作成しても問題ありません。
自分で作成しても法律的に問題はありませんが、不備がある場合は無効になりますので注意しましょう。
作成方法
遺産分割協議書に書式は決まっていないので、wordなどで作成しても構いません。
自分で作成しても問題ありませんが以下に記載する項目は必ず書きましょう。
- 被相続人(亡くなった方)の名前と亡くなった日
- 相続人全員の名前・住所・押印
- 相続人全員の合意
- 相続財産の内容と分配方法
不動産のみの遺産分割協議の場合は法務局よりPDFファイルとしてダウンロードができるようになっています。
出典:法務局 Taro-17相続(遺産分割のとき) 記載例(https://houmukyoku.moj.go.jp/shizuoka/page000001_00223.pdf)
(2023年7月日に利用)
遺産分割協議が進まなければ相続税の申告期限や準確定申告などの納税期間が迫ってきます。
時間がなく遺産分割協議書を自分で作成しない場合には、各種士業(弁護士・司法書士・行政書士・税理士)に依頼をする。もしくはブログなどにひな形のテンプレートがダウンロードできるブログ、記載例が見れブログトなどもありますので、ダウンロードする。もしくはご担当している専門家に依頼をしましょう。
自分で作成するメリット・デメリット
先程もご紹介しましたが、遺産分割協議書は自分で作成することができます。
自分で作成するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
遺産分割協議書を自分で作成するメリットは以下の通りです。
- 手書きでもパソコンでも作成が可能
- 作成費用がかからない
手書きでもパソコンでも作成が可能
遺産分割協議書に明確な書式はありませんので、ひな形のテンプレートをダウンロードして作成したり、自筆で作成することが可能です。
作成費用がかからない
各種士業などの専門家に依頼をする場合、作成費用などはもちろんですが法的問題がないように書式や誤字脱字などの内容を確認する事が慎重になります。
遺産分割協議書を自分で作成すれば費用がかからずに作成することが可能です。
デメリット
反対に遺産分割協議書を自分で作る場合のデメリットは以下の通りです。
- 不備(誤字脱字など)があれば無効になる
- 適切な遺産分割の方法を記載できない
不備(誤字脱字など)があれば無効になる
遺産分割協議書は必ず作成しなければならない書類ではありません。
ですが自分で作成した場合などは法律的に問題がないかや、書式に誤りがないか。誤字脱字がないかなどを慎重にチェックしなければなりません。
完璧に作成したと思っていても提出したら不備があったなどの問題も多くありますので、注意して作成しましょう。
適切な遺産分割の方法を記載できない
遺産分割協議書に明確な書式は決まっていません。
自分で作成した場合に正しい情報を記載できない可能性もあります。
専門家が介入せず、自分で作成。もしくは相続人が作成するなどの場合は有効に成立しない可能性もあります。
自分で作成する場合のポイントや注意点は?
遺産分割協議書を自分で作成するメリット・デメリットをご紹介しました。
ここでは自分で作成する際にどんな所に気をつけたらいいのか。また作成時の注意点をご紹介します。
自分で作成する時のポイント
自分で作成する際のポイントは以下の5つです。
- テンプレートを活用
- 相続人全員分の遺産分割協議書を作成
- 相続人全員の押印・自署をしましょう
- 契印・割印をする
- 誤字脱字チェックを複数回行いましょう
テンプレートを活用
自分で作成する場合には、各専門家のサイトに掲載しているひな形のテンプレートを活用しましょう。
ゼロから自分で作成する場合、不備が発生してしまう可能性があるためテンプレートを活用しましょう。
相続人全員分の遺産分割協議書を作成
遺産分割協議では後に「話した・聞いていない」などのトラブルになる事もあります。
人数分の遺産分割協議書を作成しておく事で後々の争いを防ぐことができます。
また、財産ごとに相続手続きが必要になり、提出しなくてはいけない事もあります。
そのため相続人全員分の遺産分割協議書を作成しましょう。
相続人全員の押印・自署をする
遺産分割協議では相続人全員の同意の上、自署と押印が必要になります。
相続放棄をした方は相続人としてもとからカウントされないため必要はありません。
相続手続きなどの公共機関での手続きでは、実印であるという事が重要です。
実印+印鑑証明証を添付する事で「話した・聞いていない」や「勝手に遺産分割協議をした!」などのトラブルを防ぐためです。
契印・割印をする
財産の多さによっては遺産分割協議書が複数枚になる事があります。
複数枚作成した場合にはホチキスで留める契印。すべての書類をまたぐように印鑑を押す割印をします。
誤字脱字チェックを複数回行いましょう
自分で作成する場合には何度もチェックを行いましょう。
法律的に問題ないか。誤字脱字がないかなどを見極めるために複数回チェエクをしましょう。
遺産分割協議書はどこでもらえる?
どこかに申請をすれば遺産分割協議書がもらえる!と考えている方には残念ですが、遺産分割協議書は自分で作成する・専門家に依頼する。どちらかになります。
自分で作成する際にはポイントをしっかりと抑えて作成しましょう。
遺産分割協議書の提出先
遺産分割協議書が必要になるケースは下記の表です。
相続税の申告 | 被相続人死亡時の住所の税務署 |
預金・預貯金の名義変更・または解約 | 銀行などの金融機関 |
不動産の名義変更 | 法務局 |
自動車などの名義変更 | 運輸支局 |
有価証券(株や証券など)の名義変更 | 証券会社や銀行・株式発行会社など種類により異なります。 |
相続の相談は相続ぽるとへ!
相続ぽるとでは遺産分割協議書だけではなく、「相続の分からない」を無くし適切な「相続の入り口」としてご利用いただいております。
何をしたらいいのかわからない。自分の家族にあった相続対策を行いたいと考えている方は1人で悩まずにお気軽にご相談ください。
記事のまとめ
今回は遺産分割協議書と自分で作成できるかについてご紹介しました。
遺産分割協議書は必ず作成しなければならない書類ではないた場合によっては必要ないケースもありますが、相続の内容を証明するためや、相続人同士のトラブルなどを防ぐために便利な書類です。不安な方はお気軽にご相談ください。