相続の相談先は悩み別に分けて連携を取りましょう
遺産相続は様々な問題やトラブルが発生します。
「家族が仲いいから安心」と安心はしていられません。
その他にも何度も経験するものではない相続に対して、相談先はどこにすればいいのか不安な方も多いのではないでしょうか。
本記事では、遺産相続の相談先はどこを選ぶべきなのかをご紹介します。
専門家ごとの特徴や、相談先を選ぶ基準なども詳しくご紹介しておりますので、気になる方はぜひ一度ご参照ください。
遺産相続は悩みや不安で専門家を使い分ける!
初めにお伝えすることは、相続の相談先は悩みや不安ごとに使い分けることが大切です。
様々なサイトで「相談するなら弁護士・司法書士」などと言われています。
確かに弁護士や司法書士に相談をすることで、全般的なサポートを受けることが出来ます。
しかし、みなさんが抱えている不安や悩みは1つとして同じ状況ではありません。
中には弁護士と税理士の2名に相談しなければならない案件や、司法書士だけで問題が解決するなど、状況や悩みによって相談先を変える必要があります。
そこで、まず大切なことは相談先の専門家がどのうような業務を中心にサポートしているのかを知ることです。
ご自身の悩みや不安に適していない専門家を選んでしまった場合、時間を浪費するだけになってしまいます。
まずは、相談先をどこにするのかではなく、それぞれの特徴を把握しましょう。
遺産相続の相談先一覧
様々な専門家が相続の相談先としてありますが、基本的には以下のような相談先が遺産相続の対策や手続きをサポートしてくれます。
- 市役所・区役所
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 行政書士
- 金融機関
- 公的機関
どれも同じように見えるかもしれませんが、それぞれの専門家によって対応できる業務の範囲や得意分野・苦手分野が異なります。
悩みや不安を抱えるみなさんの問題をどの専門家であれば、一番素早く適切に解決できるかが重要です。
大まかな遺産相続の手続きの流れや書類を知るなら先なら市役所・区役所
ご存知かと思いますが、市役所や区役所などでは相続の手続きの流れや書類を知ることができます。
相続手続きは、様々な手続きを行う必要があり自身は何をしたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで
市役所や区役所を相談先にする場合、多くは弁護士・司法書士・税理士などの専門家が相談に載ってくれます。
自治体によって専門家に相談が無料で可能!
前述で少しご紹介しておりますが、市役所や区役所を相談先にする場合、多くは弁護士や税理士などの専門家に相談をすることができます。
自治体が開催している相談のため、多くは無料で相談をすることができます。
問題をその場では解決できない
自治体で開催している無料相談会などは、あくまで基本的な手続きの流れや書類に関する質問をすることができます。
そのため、「この問題について依頼したい」と既に決まっている場合には適しません。
またその場では問題を解決することが出来ない点も注意しておきましょう。
相談方法
市役所や区役所が開催している相談会を相談先にする場合には、予約が必要になります。
ネットや電話などであらかじめ予約を確保した後に、窓口で相談をすることがほとんどです。
必ずしも弁護士・税理士などではないため、付近の役所ではどの日にどの専門家が相談会を開いているのか確認をしておきましょう。
メリット・デメリット
市役所や区役所だけではありませんが相談先にする場合には、相談先のメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。
相続相談を市役所・区役所にする場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
基本的な相続に関する手続きや書類を知ることができる | あくまで基礎的な話なので具体的なアドバイスが受けられない可能性がある |
無料で気軽に相談することができる | 書類の内容をチェックすることが出来ない |
「依頼しなくちゃいけない」という強要はない | その場では依頼ができない |
相談先にするメリット
相談先を市役所や役所にする場合、メリットは気軽さと基礎的な知識を得られる点です。
相続の話は、誰もがしにくい話です。
専門家に相談するのは、まだハードルが高いと感じる方でも、役所が開催している相談会であれば気軽にいけるのではないでしょうか。
また、情報の管理も役所が行うため安全に相談をできる点もメリットと言えるでしょう。
相談先にするデメリット
市役所や区役所を相続の相談先とするデメリットは、個人的なアドバイスや書類のチェックなどが行えない点です。
自治体ごとに個人的な相談が可能な相談会などもありますが、基本的に参加ができるのはその地域に住んでいる方です。
さらに、専門家に相談はできますが、その場で依頼をすることはできません。
実際に手続きや、対策をする場合にはご自身で弁護士・司法書士・税理士などを見つける必要があります。
こんなお悩みの方は市役所・区役所を相談先に!
気軽に相談できる反面、具体的なアドバイスが求めにくい役所への相談は、どのような方が相談先として適しているのでしょうか。
相続の相談内容 | 役所を相談先にする理由 |
---|---|
なにから初めたらいいかわからない | 基礎的な知識や書類・手続きの期限などを知ることが可能 |
手続きの流れや必要書類を把握したい | 自身で可能な手続きと専門家に依頼するべき手続きを把握することが可能 |
相続の相談先として役所を活用する場合には、具体的なアドバイスを求めるのではなく、手続きや誰に相談するのかを決めるために、役所を相談先とするようにしましょう。
もちろん、相談先の専門家が気に入った場合には、後日正式に依頼をするようにしましょう。
争族や遺産の分け方でトラブルの相談先は弁護士
「相続の相談先なら弁護士」と呼ばれるほど、弁護士は他の専門家と異なり、様々な業務をみなさんの代わりに弁護士が手続きを行うことができます。
また、相続と聞くと「ドラマで家族が揉めていたシーンを思い浮かべる」などというような、相続人同士のトラブルには、弁護士が相談先として適しているでしょう。
遺産相続のトラブルの解決や仲介は弁護士にしかできない
前述でご紹介しましたが、遺産相続において遺産(相続財産)を分け方で家族が揉めているなどを思い浮かべる方も多いかと思います。
そのような遺産の分割方法に関して相続人同士で争ってしまった場合には、弁護士にしか解決ができません。
司法書士や税理士・行政書士には相続トラブルの相談はできても解決するための手続きを行うことができません。
弁護士だけがもつ代理権
実は、弁護士には代理権という「みなさんの代わりになれる権利」を持っています。
そのため、相続トラブル(遺産の分割方法)などで、家族が揉めてしまった場合には、みなさんの代わりに弁護士が法的根拠を持ってみなさまのサポートを行います。
参照:e-Gov 法令検索 弁護士法第三条 第1項 (弁護士の職務)
(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205/20250601_504AC0000000068)
弁護士に依頼するとお金がかかるって本当?
実際、弁護士に依頼をすることでほとんどの業務は依頼することができます。
弁護士に依頼できる内容は以下のような業務です。
弁護士への依頼内容 | 具体的な内容 |
---|---|
遺言書の作成サポート | 遺言書の文案作成・公正証書遺言の作成サポートおよび証人としての立会い |
遺産分割協議のサポート | 遺産分割協議書の作成/遺産分割の交渉代理/紛争解決(調停・訴訟) |
相続放棄の手続き支援 | 相続放棄の申述書作成/家庭裁判所への申立て代理 |
遺留分減殺請求・侵害額請求 | 遺留分の計算および請求手続きの代理/請求の交渉や調停 |
相続財産の調査 | 金融機関や不動産の調査/財産目録の作成 |
相続トラブルの解決 | 調停や審判の代理/裁判の代理人としての活動 |
借金や負債の処理 | 負債の確認と整理/債権者との交渉代理 |
その他の相談業務 | 遺産に関する一般的な法的アドバイス |
もちろん上記以外にも、様々な悩みの相談先として弁護士を利用できます。
弁護士を相談先として活用すると、様々なことがスムーズに進みます。
その反面、費用が他の専門家よりも高額になってしまうこともあります。
弁護士を相談先として、正式に依頼をする場合には以下のような費用が必要になります。
- 相談料
- 着手金
- 報酬費用
- 実費
- 日当
- 手数料
上記のような費用が必要になります。
特に、他の士業になく弁護士にあるのが着手金です。
着手金は、相談内容を正式に依頼するための依頼費用になります。
この着手金は、相談内容の達成・未達成に関わらず弁護士に支払う費用であり、仮に内容が未達成になった場合でも返金を要求することはできませんので注意しましょう。
実際に、いくら弁護士に支払うのかは、各弁護士事務所ごとによってことなります。
こんなお悩みの方は弁護士を相談先に!
弁護士に依頼する費用は他の専門家に比べると、高額になりやすくなってしまう相談先ですが、弁護士にしかできない業務があり、困っている場合には、弁護士への相談を検討してみると良いでしょう。
特に以下の内容に当てはまる場合には、相談先は弁護士にすることをおすすめします。
相談内容・困り事 | 弁護士を相談先にする理由 |
---|---|
遺産分割協議がまとまらない | 弁護士が第三者としての立場から公平な解決策を提案し、協議の円滑に進めるため |
遺留分を請求したい/請求された | 請求は法的手続きが複雑であり、正当な権利の主張や防御をするため |
相続人同士で既に仲が悪い | 感情的な対立がある場合、直接の話し合いが困難な場合がある |
なるべく揉めたくない | トラブルを避けながら法的に適切な手続きを進めるたいと考えている場合 |
相談先を弁護士にすることで、多くのトラブルを解決できます。
しかし費用もかかるため、複数の弁護士事務所を相談先として見積もりを取ってみるといいでしょう。
相続財産(遺産)に不動産がある場合の相談先は司法書士
相続財産の中に不動産(建物・土地)が含まれている場合には、司法書士を相談先にしましょう!
後ほど、詳しくご紹介しますが司法書士は、不動産の相続登記や名義変更手続きなどの専門家です。
さらに法的知識も豊富なため、弁護士に比べて法的な手続きを行う事はできませんが、一般的なサポートとして相談先にできるのが司法書士です。
相続登記に関する手続きは司法書士にしかできない!
2024年4月から、相続時の不動産名義変更手続き(相続登記)が義務化されました。
なぜ登記が義務化されたのか気になる方は、こちらの記事を御覧ください。
この相続登記の手続きのサポートができるのは、司法書士だけです。
他の弁護士や行政書士などに登記サポートの依頼をしても、登記手続きのサポートを受けることはできません。
そのため、遺産の中に不動産が含まれている場合の相談先は、必ず司法書士にも相談することをおすすめします。
財産の塩漬け、対策していますか?
「財産の塩漬け…なにそれ」と思うかもしれませんが、相続対策はただ眼の前の相続財産や税金・納税資金の対策だけしていれば良いわけではありません。
認知症対策も同時に進めなければなりません。
例えば、認知症の親名義の土地を売却して相続人で分配したいと考えていても、売却することはできません。
また、預貯金を相続手続きで分割したいが、認知症の相続人の同意が得られないため手続きが出来ない。なんということも起きてしまいます。
このような認知症対策には、家族信託という仕組みを活用しますが、家族信託を組成するためには、司法書士の力が必要になります。
なぜ司法書士に依頼するの?
家族信託は信託契約という契約行為になります。
となると、「弁護士の方がいいのではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、家族信託を活用する場合多くは不動産が含まれます。
不動産登記業務は法律で司法書士が独占する分野であり、弁護士や税理士では対応できません。
また、司法書士は、法的知識にも精通しているため、契約書の作成から登記手続きまでを一貫して依頼することができます。
そのため、家族信託を組成したい・遺産に不動産が含まれている場合には、弁護士ではなく司法書士を相談先として検討してみるといいでしょう。
こんなお悩みの方は司法書士を相談先に!
不動産の登記業務を独占している司法書士に相談をすることで、不動産関連のサポートや認知症対策も同時に行うことができます。
特に以下のようなお悩み・不安を抱えている場合には司法書士を相談先にしてみましょう!
相談内容・困り事 | 司法書士を相談先にする理由 |
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遺産の中に不動産がある | 不動産の相続手続きでは、相続登記が必要であり司法書士の独占業務のため |
不動産の分割方法を知りたい | 司法書士は、相続人の合意をもとに、法的に有効な形で分割方法を提示 |
登記手続きを依頼したい | 不動産の相続登記は、法務局への申請が必要であり、登記手続きには専門的な知識と経験が必要になるため |
認知症対策をしたい | 財産の「塩漬け」状態を回避するための家族信託や後見人制度を提案してくれる |
上記のような場合の相談先は、弁護士ではなく司法書士に依頼をしましょう。
このような場合には、相談先を変更しましょう
司法書士に依頼をすることで、不動産の登記手続きなどを円滑に進めることができます。
しかし、相続は何が原因でトラブルになるかわかりません。
次の要な状況の場合には、相談先を変更しましょう。
- 不動産を含めた遺産の分割方法で揉めている
- 代理人として相続人と交渉してほしいと依頼された
上記のような場合には、相談先を弁護士にしましょう。
既にトラブルになっている場合には、司法書士には分割方法の提案をすることはできません。
また、法的な知識にも精通していますが、手続きを行えるわけではないので、上記に該当する場合には相談先を弁護士に変更しましょう。
相続税に関する質問や手続きの相談先なら税理士
相続と聞くと相続税を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
自分には相続税がかかるのか不安・相続税対策は何をしたらいいのかわからない。
このような場合の相談先は、税理士に依頼をしてみましょう!
相続税の計算・税金対策は税理士の得意分野
税理士は税金の専門家です。
そのため、相続税に詳しい税理士を相談先にすることで、自身に相続税が課税されるのかシミュレーションを行ってもらえます。
もちろん、概算であれば弁護士や司法書士にも可能ですが、正確に知りたい場合には税理士に依頼をすることをおすすめします。
また、相続税対策などを行った方が良いのかどうかなども、税理士には相談することができます。
相続税だけではなく他の税金が深く関わります!
相続時には、相続税だけではない様々な税金が深く関わります。
それぞれ、どのような場合に適用されるのか把握しておきましょう。
相続にかかる税金 | どんなケースで課税される? |
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贈与税 | 年間110万円以上の贈与を受けていた場合 |
所得税 | 準確定申告をする場合/引き継いだ不動産を売却して利益を得た場合 |
住民税 | 被相続人の死亡した年の住民税 |
固定資産税 | 不動産を引き継いだ方が納める |
登録免許税 | 不動産の登記手続きを行った場合に必要 |
消費税 | 被相続人が事業を営んでおり、消費税の課税事業者であった場合 |
自動車税 | 被相続人が所有していた自動車を相続する場合 |
印紙税 | 相続に関連する契約書や不動産の取引書類を作成する際に必要 |
返済にかかる税金 | 借入金を残していた場合 |
相談先を税理士にしておくことで、相続税以外の税金の対策も税理に相談することができます。
相談先が相続税に必ず詳しいわけではない
税理士は確かに税金の専門家です。
そのため税金やお金に関する相談先と選ぶことは間違っていませんが、相談先の税理士が必ず相続税に詳しいとは限りません。
前述でご紹介しておりますが、相続時には様々な税金が関わります。
様々な種類があるからこそ、得意分野が分かれることもあります。
そのため、相談先を税理士に選ぶ場合には、必ずなんのお金(税金)で困っているのかを明確にしてから相談先を決めることをおすすめします。
こんなお悩みの方は税理士を相談先に!
税理士に遺産相続に関わる税金を相談することで、適切な相続税対策を行う事ができます。
その中でも、以下に該当する場合には相談先を税理士にしてみましょう。
相談内容・困り事 | 税理士を相談先にする理由 |
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自身に相続税が課税されるのか知りたい | 具体的な財産の評価額を基に計算を行ってくれる |
相続税対策をしたい | 相続税・贈与税に特化していれば様々な視点から節税対策を提案してもらえる |
相続税以外の税金もまとめて相談したい | 贈与税や準確定申告などの手続きも依頼したい |
相続手続きの書類作成や自動車の相続相談先なら行政書士
遺産相続の相談先と聞くと弁護士・司法書士・税理士などが浮かぶかと思います。
しかし、中には費用を最小限に抑えていきたいと思う方もいらっしゃいます。
そのような場合には、行政書士を相談先にしてみましょう!
行政書士は、弁護士のように代理権・司法書士のように登記・税理士のように相続税の計算などを行うことはできません。
しかし、手続きに必要な書類の作成や収集など時間と手間がかかる場合には、行政書士を相談先にすることで、費用を抑えつつスムーズに手続きを進めることができます。
実は自動車の名義変更は行政書士にしかできない!
遺産の中に、自動車がある場合があります。
自動車も遺産に含まれるため、引き継いだ場合には、名義変更手続きを行う必要があります。
しかし、自動車の名義変更手続きのサポートは行政書士にしかできません。
これは、行政書士が官公署への書類提出に関わる手続きを広範囲にサポートできるからです。
官公署への書類提出に関わる手続きを広範囲にサポート
行政書士法第1条の3では、行政書士に次の権限が明確に与えられています。
- 官公署(例:運輸支局、地方自治体)に提出する書類の作成。
- その手続きの代理および代行。
上記のような権限が法律で明確に許可されています。
つまり行政手続きに必要な書類の作成などを行う専門家が行政書士になります。
自動車の名義変更手続きを行う場合には、運輸支局などで手続きを行う必要があります。
専門的な手続きの依頼には適していません
行政書士は、自動車の名義変更など行政手続きであれば広範囲にサポートを依頼することができます。
他の士業はこの行政手続きを行う資格がないため、自動車の名義変更手続きは行政書士にしかできません。
反対に、行政書士には相続税の計算や、遺産分割協議への参加・登記手続きなど行う資格がないため、依頼することができません。
こんなお悩みの方は行政書士を相談先に!
自動車の名義変更手続きは行政書士にしか依頼できません。
しかし、それは士業などの専門家に与えられている効力の範囲のため、みなさんがご自身で自動車の名義変更手続きを行うことは可能です。
次のような不安・お悩みがある場合には行政書士を相談先にしてみるといいでしょう。
相談内容・困り事 | 行政書士を相談先にする理由 |
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費用を抑えたい | 行政書士に可能な業務範囲が限られているので、費用を抑えられる |
自動車の名義変更手続きを依頼・相談がしたい | 行政手続きを扱えるのは行政書士だけ |
遺産相続の手続きに必要な書類を作成してほしい | 不動産がなくトラブルが起きていない場合は、遺産分割協議書の作成が可能 |
自身で手続きを行うのでサポートを依頼したい | 他の士業のサポートが無くても手続きが可能な場合はサポートを受けられる可能性がある |
お金にまつわる全般の手続きの相談先なら金融機関
ここまで弁護士・司法書士・税理士・行政書士と相談先の専門家をご紹介しました。
実は金融機関も遺産相続の相談先として、検討できることをご存知ですか?
ここでの金融機関とは、銀行・証券などです。
口座や簡単な相続手続きの相談も可能
各銀行のHPなどでは、遺産相続が発生した場合の金融機関の手続きが掲載されています。
ご自身で相続手続きを行いたいと考えている場合には、金融機関を相談先にするといいでしょう。
また、金融機関毎に相続相談会などを開催している可能性があります。
メリット・デメリット
金融機関を相談先にする場合、多くのメリットがある反面、デメリットとなる部分もあります。
ご自身の悩みにしっかり合うのかを検討してから相談先を決めましょう。
メリット | デメリット |
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口座の相続手続きを把握できる | お金の専門性は高いが、手続きの専門家ではない |
税理士への相談前にお金に関する相談が可能 | 具体的な相談ができない |
専門家を紹介してくれる可能性がある | 別の窓口を探す二度手間が発生する |
相談先にするメリット
銀行などの金融機関を相談先にするメリットは、全国どこでも金融機関があるということです。
地方銀行に口座がある場合は、地域に依存してしまいますが基本的にはどこでも存在します。
また、内容によっては弁護士・税理士・司法書士・行政書士などの専門家を紹介してくれる可能性があります。
相談先にするデメリット
銀行や証券などの金融機関は、お金の専門性は高いです。
しかし、手続きの専門家ではありません。
そのため、弁護士のような遺産分割協議への参加・司法書士の登記業務・税理士の相続税計算/節税対策・行政書士の行背手続きのサポート。
これらの業務を行う事はできません。
また、具体的な相談が難しいことや、自身で弁護士や司法書士・税理士・行政書士などの専門家を探さなければならない可能性があります。
こんなお悩みの方は金融機関を相談先に!
お金や口座にまつわる相談先であれば、金融機関に相談するといいでしょう。
ただし、前述でもお伝えしましたが、弁護士・司法書士・税理士・行政書士のような遺産相続の手続きの専門家ではない点にも注意してください。
各専門の公的機関
相談先が様々あることをご紹介しました。
弁護士・司法書士・税理士・行政書士のような専門家から役所や金融機関などをご紹介しました。
弁護士を初めとした士業は、手続きや対策の専門家です。
しかし中には、ご自身で手続を行いたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合には、ご自身で手続きを行う上で必要な公的機関を相談先にしてみるといいでしょう。
例えば、相続登記ならば法務局。相続税の申告・納付ならば税務署。などの公的機関へ相談してみましょう。
ピンポイントで手続きを知りたいなら公的機関へ!
遺産相続の手続きは、必ず専門家に依頼しなければならないわけではありません。
遺産分割協議がスムーズに進んでいる場合は、弁護士に相談する必要はありません。
不動産がなく認知症対策も既にしている場合には、司法書士に依頼する必要はありません。
相続税もご自身で計算をして、相続税が課税されれない場合は、税理士に相談する必要はありません。
手続きの依頼はしなくてもいいが、手続きの流れや必要書類には少し不安がある。
そのような場合には、手続きをする公的機関へ相談をしてみましょう!
メリット・デメリット
弁護士や司法書士・税理士に依頼しない場合の相談先として、法務局や税務署など選ぶ場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット | デメリット |
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無料で相談をすることができる | 具体的な対策などの相談はできない |
手続きのサポートをしてくれる | 専門性は高いが、手続きの専門家ではない |
「依頼しなくちゃいけない」という強要はない | 予約が必要 |
相談先にするメリット
法務局・税務署を相談先にするメリットは、気軽に相談をすることができる点や、手続きのサポートを受けられることです。
さらに公的機関であるため、情報に偏りがなく最新の制度や税制を得ることが出来ます。
相談先にするデメリット
一方で、公的機関を相談先にする場合には、直接的な手続きのサポートがサポートが受けられないという点に注意です。
手続きの説明は詳しく行ってくれますが、弁護士や司法書士・税理士のように手続きの書類作成や代行などを依頼することができません。
また、あくまで一般的な手続きの説明になるため、対策なども行いたい場合には、弁護士を含めた専門家に相談することをおすすめします。
こんなお悩みの方は公的機関を相談先に!
市役所・区役所と同じように気軽に無料で詳しい説明を受けられることが、公的機関を相談するメリットになります。
しかし、弁護士・司法書士・税理士とは立ち位置が異なるため注意しましょう。
具体的に以下のような悩みや問題を抱えている場合には、公的機関を相談先にしてみるといいでしょう。
相続の相談内容 | 公的機関を相談先にする理由 |
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手続きの説明を受けて自身で手続きを行いたい方 | 相続登記や相続税申告などを理解し、手続きを行えるため |
専門家にこれから相談しようと考えている方 | 一度相談をした上で、専門家に依頼し具体的な解決策を探したい場合 |
専門家を選ぶ基準はあるの?
各専門家の特徴や相談先と選ぶポイントをご紹介しました。
しかし、弁護士事務所・司法書士事務所・税理士事務所・行政書士事務所などは複数存在します。
その中から、みなさんの悩みや問題にあった遺産相続の専門家はどのように選べば良いのでしょうか。
ここでは、相談先の専門家を選ぶときの基本的な基準を3つご紹介します。
相談先を選ぶ基準
- 遺産相続の専門家であるかどうか
- 対応やレスポンスが遅くないか
- 全体を見通して対策をしてくれるのか
①遺産相続の専門家であるかどうか
まず相談先・依頼先の専門家が遺産相続の専門家であるかを確認しましょう。
前述でご紹介していますが、専門家は無数に存在します。
遺産相続に強い専門家であるかが重要になります。
確認方法
相談先が遺産相続の専門家であるか確認する方法は、各弁護士事務所・司法書士事務所・税理士事務所・行政書士事務所のHPやSNSを見てみましょう。
相談実績や専門家のプロフィールを確認してみると良いでしょう。
②対応やレスポンスが遅くないか
相続手続きは、書類の収集や家族での話し合い・実際の手続きなど多くの時間が必要になります。
「専門家に相談すれば安心」というだけでは本当に安心はできません。
相談先の専門家のレスポンスや対応が遅い場合、期限が過ぎてしまう可能性があります。
そのため、無料相談後の連絡やこちらから相談した際のレスポンスの速さなどを見極めましょう。
複数の専門家に相談することで、各専門家の対応の速さなどが異なります。
速度感も重要になるため、見極めてから依頼すると良いでしょう。
③全体を通して対策をしてくれるのか
遺産相続は、相続税の申告だけがゴールではありません。
みなさんの問題だけではなく、専門家の経験から対策したほうが良い箇所を提案してくれる専門家であれば安心できます。
手続きの複雑さと同じように、1つの不安を解決すれば終わるものでもありません。
事前対策から、実際に相続が開始された後の手続きの流れまでしっかり見通しを立ててくれる専門家を選びましょう。
相談先で迷ったときはどうしたらいい?
遺産相続は、様々な問題やトラブルが起きます。
そのため、初めは弁護士に依頼をして後から司法書士に相談しよう。ではなく必要な専門家を同時に連携を取る必要があります。
相談先に迷ってしまった場合には、しあわせ相続診断を相談先にしてみてください。
しあわせ相続診断では、年間100件以上の遺産相続の相談実績を抱える専門家が、みなさんの相続対策・手続きをサポートします。
さらに、みなさんの状況に応じて必要な専門家(弁護士・司法書士・税理士・不動産鑑定士・FP)などをご紹介します。
また、通常複数の専門家と連携を取る際は、みなさんが窓口になる必要がありますが、しあわせ相続診断では、私たちが窓口となり連携を取ってまいります。
初回無料相談を実施しておりますので、「どの専門家に依頼しようかな」と迷われている場合には、一度しあわせ相続診断へご相談ください。
記事のまとめ
今回は、遺産相続の相談先の特徴と選ぶポイントをご紹介しました。
相談先は、1つだけではなく複数の専門家と連携を取ることが重要です。
そのため「絶対にこの専門家に依頼しなければいけない」というものもありません。
多くの弁護士・司法書士・税理士・行政書士がいる中で、迷われた場合には、以下の点に注目して相談先をお選びください。
- 基本的な流れや手続きの相談先なら役所
- 遺産の分割や相続トラブルの相談先なら弁護士
- 不動産・登記の相談先なら司法書士
- 相続税の相談先なら税理士
- ご自身で行いたい場合のサポートの相談先なら行政書士
- 口座の手続きの相談先なら金融機関
- ピンポイントの相談先なら各公的機関
目的別に相談先を選ぶことが大切ですが、いちいち探すのが面倒な場合は、しあわせ相続診断を相談先としてご活用ください。