お年玉が贈与財産になる可能性が‼税金がかからないためにできることを解説

お年玉が贈与財産になる可能性があります‼

2023年も残り数ヶ月となり、気がつけば2024年が近づいています。
お正月を前に、「お年玉をどのくらい上げるのが良いのかな?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そのお年玉、贈与財産になり子どもや孫が贈与税を支払わなければならないかもしれません。
本記事はお年玉は贈与税の課税対象となるのか。贈与税の基礎知識を振り返りながらご紹介します。

贈与を簡単におさらい!

まずは贈与について簡単に振り返りをしましょう!
早く知りたい方はこちらから知れます!
贈与とは、財産を渡す人(贈与者)と財産を受け取る人(受贈者)の間でかわされた契約に基づいて財産の移転を行う事をいいます。
契約といいましたが、契約書が必要というわけではなく双方の同意が取れれば口頭でも成立する契約です。

基礎控除である年間110万円までは非課税で渡せる

贈与を行う場合には税金が課される可能性があります。
原則として1年間で110万円を超えない場合には課税されずに財産を渡す事ができ、この110万円の事を贈与税の基礎控除と言います。
110万円を超える場合には受け取った財産から基礎控除を差し引いた金額に対して税金が課されます。
計算例

基礎控除後の対象価格✕税率=実際に納付する金額

税率

贈与税の税率は2種類あり、直系尊属から受け取った場合の特例とその他の一般の2種類があります。

お年玉などの直系尊属からの贈与の場合は以下のとおりです。

特別税率

基礎控除後の 課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

お年玉に贈与税の対象って本当⁉

お年玉は両親や祖父母などから財産を受け取るため、贈与に該当します。
しかしお年玉の全てが該当するわけではなく厳密にご説明すると社会通念上相当と認められる場合には対象ではなくなります。

社会通念上相当と認められるものとは

社会通念上認められるものとは、「一般論・常識的」とされており具体的に明記はされておらずいくらから課されるかの基準は曖昧です。
つまり法律や条例などのように具体的に明文化していなくても常識的・基本的な考え方や一般常識のように暗黙の了解のようなものです。
つまりお年玉も常識的・一般的な金額のお年玉であれば税金は課されないこととされています。

参照:No.4405 贈与税がかからない場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4405.htm

お年玉以外のプレゼントも非課税

お年玉以外にも入学・卒業などの祝い金やクリスマスプレゼントなども社会通念上相当と認められる場合には贈与税の対象から外れます。

お年玉は非課税!ただし合計金額に注意

お年玉には税金が課されないと前述でご説明しましたが、ここで注意しなければならないのは贈与財産には含まれるということです。
お年玉のお金の合計額が110万円以内であれば税金は課されませんが、贈与財産の一部となります。
例えばお年玉で5万円・その他の生前贈与で110万円を受け取っていた場合には贈与税が課されます。
贈与はその際に受け取った金額ではなくその年に受け取った財産の合計額に対して課されますので非課税だからといい多額の金額を贈与してしまった場合には税金が課税されますので注意しましょう。

親が管理をする場合の注意点

お年玉は通常非課税で渡せますが、使い込みは防ぎたいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。
そのような場合には、子どもの名義の口座を作成し親御さんが管理する形を取ると思いますが、その場合名義預金になる可能性があります。
名義預金とは、お金を持っている人とその口座を管理している人が異なる預金のことをいいます。
この場合、子どもの名前の口座を親が管理しているため名義預金とみなされる可能性があります。
名義預金にならないためには、財産を受け取った人が自由にお金を入出金できる状態であり、預金の存在を把握しておかなければなりません。
小さいお子様の場合、教えてしまうと全部使ってしまいそう。と感じるかもしれませんがお年玉の入金を一緒に行うなどのお子様自身でお金の管理をしていることを理解する事で名義預金と判断されなくなります。

お年玉以外で贈与税がかからない方法を解説‼

お年玉は社会通念上相当と認められる金額であれば非課税で贈与する事が可能ですが、年間110万円を超過する場合には税金が課税されてしまいます。
特例を活用すればお年玉以外で贈与税がかからずに財産を移転する事が可能です。

特例①相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の贈与者から18歳以上の受贈者に向けて合計で2,500万円の控除枠があり範囲内まで非課税で渡すことができる制度です。
この制度は、相続が発生した際に贈与開始から相続発生までに受け取った財産を合計し2,500万円までは非課税。それを超える場合には一律20%の贈与税がかかる制度です。
この制度は2024年から税制が変わりますので、変更内容を知りたい方はこちらをご参照下さい。

特例②住宅取得等資金の贈与

住宅取得資金の贈与とは、直径尊属から直系尊属に対して住宅の新築や増築などに必要になる費用を一定の要件を満たすことができれば非課税で渡すことができる制度です。
この制度を活用することで最大1,000万円まで非課税で財産を移転することが可能です。


この特例は2023年12月31日までの限定的な期間のため子や孫の住宅資金を贈与したいと考えている方は早めに行いましょう!

特例③教育資金等の一括贈与

教育資金等の一括贈与とは、直系尊属から30歳未満の子ども・孫へ教育のための資金を1,500万円まで一括で贈与することができ、1,500万円までは非課税で渡すことが可能になる制度です。

この特例は長期間の間延長されていましたが、現在は2026年3月31日まで非課税で贈与することが可能です。

特例④結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与とは、18歳以上50歳未満の直系尊属が結婚や子育てに必要な資金を親や祖父母が贈与する場合、1,000万円まで非課税で渡すことができる制度です。
この制度は、結婚に関して支払われる費用と、妊娠・出産・育児に必要な費用で分けられます。お年玉以外にも財産を渡す方法はいくつも存在します。
ですがご紹介した制度は、いつ終了するかわかりません。そのためお年玉がチャンス!と思わずに様々な方法を検討することをおすすめします。

この特例は令和5年度の税制改正大綱により期間が延長され2025年3月31日まで非課税で贈与する事が可能です。

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記事のまとめ

本記事ではお年玉が贈与財産になってしまう可能性・お年玉の管理方による問題から贈与税をかからずに財産を移転する方法などをご紹介しました。
お年玉は子供の場合は嬉しい時期ですが、渡す側には注意が必要になります。
贈与税が課される場合、申告から納付までを行うのは子や孫になります。だからといい親御さんが財産管理をしている場合でも名義預金とみなされる可能性があります。
お年玉は基本的に非課税で渡せますが、贈与税はそのとき受け取った財産ではなくその年で受け取った財産の合計額に応じて課されます。
贈与税がかかるか不安な方は専門家に相談しながら進めることをおすすめします。