相続時の税理士選び方は様々な方法がある
大切なご家族が亡くなった後には、様々な手続きを行う必要があります。
その中でも「相続税がかかるのか」がみなさま気になるのではないでしょうか。
そのような場合には、税理士に相談することが多いかもしれませんが、「どの基準で選んだらいいかわからない」とお悩みがあるのではないでしょうか。
本記事では、相続税について税理士に相談する際の選び方をご紹介します。
選び方の基準やメリット、税理士への相談が必要なケースなども合わせてご紹介しておりますので、気になる方はぜひご参照ください。
最低でも把握したい選び方の基準
まず初めに、最低でも把握しておきたい選び方の基準をご紹介します。
信頼できる税理士を選ぶためにも、以下の選び方を基準にしてみるといいでしょう。
選び方①家族に寄り添った提案をしてくれる
まず一つ目の選び方の基準は、家族に寄り添った提案をしてくれるかです。
相続は、大切なご家族が亡くなることで手続きが必要になります。
単純に「正しく申告する」だけで機械的に手続きを行う専門家には相談しにくいです。
さらに、生前に対策を考えている方なら尚更「家族にとってより良い方法であるか」や「税金が課税されるのか」など、不安になる場面も多くなるのではないでしょうか。
税理士だけではなく、相続に関する相談を各専門科の事務所にする場合には、依頼する内容だけではなく相続人・被相続人の家族にとって安心できる。家族に寄り添った提案をしてくれる税理士を選びましょう。
どのように把握する?
とはいえ、家族に寄り添った税理士をどのように探せばいいのでしょうか。
このような場合には、各事務所が行っている無料相談などを活用するといいでしょう。
はじめから提案されるのが苦手な方は、悩みを相談するだけでも税理士の印象をつけることができます。
相続税の申告に強いだけではなく、話を聞いてくれるかなども重要な選び方の基準になります。
無料相談で信頼できると判断できれば依頼をしてみましょう。
選び方②専門的な知識・経験・実績がある
相続税の申告は、必ず税理士事務所などに相談しなければならないわけではありません。
個人でも申告をすることができますが、計算ミスや申告内容の不備があると修正申告を行う必要があります。
また、一口に相続と言っても、依頼する税理士や事務所によって得意な分野や苦手な分野があります。
ご自身の状況(遺産の種類や金額)によって依頼する税理士や事務所を合わせて探しましょう。
事務所のHPや個人のSNSなどで、得意な分野などをチェックしておくといいでしょう。
選び方③レスポンスの早さ
3つ目の選び方は、レスポンスの早さです。
相続では様々な手続きを同士進行で行う必要があります。
そのような場合に、すぐに相談できなれば手続きに遅れがでてしまう可能性も否定できません。
無料相談などを通して、レスポンスがなるべく早い税理士に依頼することをおすすめします。
選び方④適切な報酬費用であるか
相続税だけではなく、専門家に相続相談を行い手続きを依頼する場合には、各専門家への報酬費用が必要になります。
この報酬費用などが適切に設定されているかどうかを見極める必要があります。
相続税の申告手続きを、税理士に依頼する場合の報酬費用の相場は「遺産総額の0.5%~1.5%程度」と言われております。
しかし、相続人の数や遺産の状況・種類(特に不動産や証券など)によっては、追加で報酬が必要になる可能性があります。
各事務所の初回無料相談などを活用して、報酬費用や契約内容を事前に確認しておくことも強い専門家の選び方になります。
報酬費用だけでは危険
報酬費用は安いに越したことはありませんが、報酬費用だけに目を向けてしまうはおすすめできません。
「適切な報酬費用がどのくらいか」は税理士事務所によって設定されている報酬費用が異なるため一概には言えません。
しかしある程度の報酬で、誠実に向き合ってくれる税理士や税理士事務所を選ぶと良いでしょう。
ただし、選び方は様々であり自身で行いたい部分と税理士に任せる部分などを明確に分けている場合には選び方が異なります。
そのような場合には、いきなり専門的な対策を言われるよりも、どの専門家や事務所に相談するべきかを相談できる「しあわせ相続診断」を活用することをおすすめします。
しあわせ相続診断って何?
相続で税理士選びが必要になるケースは?
前述では、税理士の選び方の中でも、最低限把握しておきたい選び方の基準をご紹介しました。
ここからは、どんな場面や状況の場合には、税理士に相談するべきかをケースごとにご紹介します。
ケースを把握しておくことも選び方の基準になりますので、ご参照ください。
- 相続税の申告納付に不安を感じている家族
- 特例を活用して節税を考えている家族
- 財産評価が難しいと考えている家族
上記のような場合には、税理士への相談を検討してみることをおすすめします。
ケース①相続税の申告納付に不安を感じている家族
1つ目は、相続税の申告納付に対し不安を感じている家族です。
前述でご紹介しておりますが、相続では申告手続き以外に並行して手続きを進める必要があります。
正しく申告納付を行う場合には、遺産や相続人の把握を適切に行う必要があります。
特に遺産に関しては、評価額を適切に算出しなければ、正しく申告納付を行うことができなくなってしまうので、申告納付手続きに不安を感じている場合には、税理士への相談を検討しましょう。
ケース②特例を活用して節税を考えている家族
相続税には、様々な特例や控除などを活用することによって相続税の納付金額を0円にすることができます。
特に配偶者の税額控除や小規模宅地等の特例などを活用する際には、たとえ納付金額が0円になった場合でも、申告をする必要があります。
上記以外にも各種特例や控除枠などの活用を検討されている方は、税理士に相談するのが無難です。
場合によっては報酬が別途必要になる可能性がありますが、ご自身で申告を行う場合「申告書の作成」「必要書類の準備」など様々な手続きを並行して行う必要がありますので、税理士への相談を検討してみると良いでしょう。
ケース③財産評価が難しいと考えている家族
相続税の申告手続きで最も重要になるのが、「評価額の算出」です。
特に、不動産などの土地や建物・非上場株式などの評価に関しては、専門家でなければ正しい評価額を算出することが難しいです。
そのような場合には、税理士や不動産鑑定士などの評価額を正しく算出できる事務所や会社と連携して進めることをおすすめします。
今回ご紹介したのはあくまで、一般的な相談をした方が良いケースです。
相続人との関係や遺産の状況によって、税理士ではなく弁護士や司法書士などの専門家に依頼したほうが良いケースもありますので、複数の専門家に相談してみることを検討されてもいいでしょう。
国税庁:財産評価
(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/01.htm)
税理士に相続相談をするメリット
税理士の選び方のポイントや、選ぶべきケースなどをご紹介しましたが「申告だけに報酬費用を支払うのは…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、税理士や他の事務所などに相続相談を行うメリットを4つご紹介します。
①適切な相続税対策ができる
まず1つ目は、適切な相続税対策を行えることです。
「できるなら相続税は0円にしたい」と考えるのは普通のことです。
しかし、ネットの普及により相続税対策は多岐にわたり個人でも行える対策もあります。
ですが、それはあくまで一般論の話であり、ご家族の状況や関係性によってもとるべき対策であるか、別の対策をしたほうが良いかまでは判断ができません。
さらに、実際に対策を行う場合でも、適用要件や必要な書類・遺産の状況・専門的な知識などが必要になります。
例えば、前述でご紹介している、配偶者の税額控除でも婚姻期間が10年以上でなければ活用できないことや、小規模宅地等の特例を活用する場合でも土地の利用用途によって軽減できる面積や%が大きく変わります。
その点、税理士に相談・依頼をすることで報酬費用は必要にはなりますが、みなさまの状況にあった相続税対策を行えます。
②申告手続きの代行依頼をすることが可能
税理士への相続相談・依頼は基本的には相続税の申告手続きに関する内容が多くを占めています。
申告は一見簡単そうに見えます。
「基礎控除である【3,000万円+(600万円✕法定相続人の数)】を超えなければ良い。」
そのように考えてしまうかもしれませんが、計算をするにも相続人の把握や活用している特例の状況・専門的な経験などが必要になります。
さらに多くの人は、相続が発生してしまっても仕事や育児などで時間を確保することが難しいです。
また相続税には申告期限などがあり、平日にしか開庁していない機関なども多くあります。
税理士に相続税の申告に関し相談をしていれば、みなさまが忙しい状況でも税理士が代わりに、書類の収集などをおこなってくれます。
「時間がなくて申告に遅れた」などの理由は税務署には通用しませんので、税理士などの遺産相続に強い専門家に依頼すると良いでしょう。
③申告漏れ・ミスを防止できる
相続税の申告は、複雑な計算方法や申告するための書類などの準備が必要になります。
さらにご自身で行う場合には、計算ミスや書類の不備などがある可能性があります。
税理士に相談・依頼をしておくことで、報酬費用は発生しますが、申告漏れやミスなどを防止することができます。
申告不備などがある場合、追加で税金を納付しなければならない可能性もありますので、税理士への相談を検討することをおすすめします。
④税務調査で対応してくれる
相続は、申告をしたら終わりではありません。
申告納付先である税務署は、相続税が申告納付された後に申告内容(評価や遺産の種類)と納付金額に差異がないかを確認します。
ここで、不備があった場合には税務調査という、税務署の調査員が話を伺いにきます。
何も悪いことをしていないのに、調査をされるのは精神的は負担に繋がります。
税理士には、税務調査で代わりに対応をしてくれる事務所もあります。
依頼をしておくことで、スムーズに対応を行うことができます。
選び方に関してよくある質問
税理士の選び方に関して以下のような質問が多くいただきます。
- 相続税の申告をしないとどうなりますか?
- 税理士を選ばなくても自分で行えますか?
Q1.相続税の申告をしないとどうなりますか?
相続税の申告は、相続開始から10ヶ月以内に行う必要があります。
仮に、相続税の申告が必要な状況な場合に申告を行わない場合には、追徴課税という追加で税金を納付する必要がでてきます。
この追徴課税は大きく2つに分けることができます。
申告が遅れていることに関する「延滞税」と申告内容に関する「加算税」。
上記2つの税金を納付する必要があります。
加算税にも種類があり、申告していない場合に課される「無申告加算税」・申告内容に差がある「過少申告加算税」などがあります。
今回の場合、申告をしないため、延滞税と無申告加算税になりそうです。
しかし、仮に申告しないといけないと把握しているのに、故意(わざと)申告していない場合には、「重加算税」という最も重い課税が課され、最大45%追加で納税しなければならなくなります。
また、延滞税と加算税に関しては同時にかかり、延滞税は期間が伸びるほど税率も高くなります。
そのため、必ず申告をするとともに、相続税に強い税理士事務所などの専門家へ依頼をすることをおすすめします。
Q2.税理士を選ばなくても自分で行えますか?
前述で少しご紹介していますが、遺産相続に強い税理士事務所に依頼をしなくても、相続税の申告を行うことは可能です。
ただし、ご紹介しているように、遺産相続では申告だけではなく様々な手続きを同時に進める必要があります。
そのため報酬費用は発生してしまいますが、無理に自身で手続きを行うよりも、税理士や他の専門家に依頼をすることで、精神的・肉体的な負担を少しですが軽減することができます。
知り合いに税理士がいない時は、どうする?
税理士事務所に相談・依頼をすることで大きなメリットや負担の軽減などを行えます。
しかし、知り合いに税理士や専門家事務所がいない場合には、どのように探すのが良いのでしょうか。
ここでは、知り合いに専門家がいない場合に、税理士を探す方法をご紹介します。
相続ぽるとで「税理士に相談必要があるか相談する」
「なるべく税金は0円にしたい」という気持ちはみんな同じですが、「そもそも税理士への相談や依頼が必要なのかもわからない」という方も多いのではないでしょうか。
相続ぽるとでは、「躓きやすい相続の入口案内」としてみなさまにご利用いただいております。
わたしたちは、みなさまの状況や行いたいこと・不安・悩みなどをじっくりお伺いし、必要だと判断した場合には、遺産相続に強い専門家を状況にあわせてご紹介しております。
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無料・オンラインでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
自分で探す
税理士事務所の知り合いがいない場合には、地道に探していく必要があります。
- ネット
- 口コミ
- 新聞
上記のような方法で税理士を探すことができます。
しかしここで注意しなければならないのは、「全ての税理士が遺産相続に強いわけではない」ということです。
どのような税理士を求めているかによっても代わりますが、税理士にも得意分野苦手分野がありますので、遺産相続に強いかつ信頼できる税理士を見つけましょう。
記事のまとめ
今回は、遺産相続などを税理士に相談・依頼する場合における選び方のポイントやメリット・ケースをご紹介しました。
遺産相続に強い税理士事務所を選ぶためには、ご紹介した選び方のポイントや実績などを考慮して目星をつけておきましょう。
さらに、1つだけではなく複数の税理士事務所に相談をしておくことで、税理士や事務所の特徴などを把握する事ができます。
実際にネットを見る税理士の印象と、直接会う印象は大きく異なります。
信頼できる税理士であるか・遺産相続に関する知識や経験などが豊富であるかを確認してから、報酬費用が発生する相談や依頼をすると良いでしょう。
また最終的に、「この税理士に依頼する」と決めるのは、みなさまです。
相続は深刻な内容ですが、専門家選びに関してはあまり構えずに気軽に相談してみると良いでしょう。
もし、不安な場合にはわたしたちに一度ご相談いただければ、適切な税理士を必要に合わせてご紹介しますので、お気軽にご相談ください。