遺産相続の弁護士に費用は?無料相談から依頼も解説

弁護士への無料相続相談は何ができる?

遺産相続の相談を、弁護士にする場合「どのくらい費用がかかるのか」不安に感じる方は多いのではないでしょうか。

弁護士に依頼する場合の費用は、他の士業に比べて高額になりやすいと言われています。

本記事では、遺産相続の相談をする際の費用を無料相談から実際依頼する際の費用の相場をご紹介します。

Contents
  1. 相続の無料相談に弁護士にするメリット
  2. 弁護士に遺産相続の相談・依頼する際の費用の内訳相場一覧
  3. ケースごとに見る 弁護士への費用
  4. 無料相談後の依頼で実際に費用は誰が支払う?
  5. 遺産相続の無料相談後でも高額になりやすいケース
  6. 弁護士への費用が支払えそうにない場合の対処は?
  7. 準備・抑えておきたいポイント
  8. 記事のまとめ

相続の無料相談に弁護士にするメリット

そもそも費用が高額になりやすい弁護士に無料相談を行うメリットはどこにあるのでしょうか。

ここでは、無料相談を弁護士にするメリットを3つご紹介します。

弁護士に依頼できる内容を整理できる

まずは、依頼できる内容を整理できる点です。

弁護士への無料相談は、具体的な手続きや対策に関するアドバイスを求める事ができます。

弁護士のサポート内容

弁護士は、法律の専門家です。

そのため、遺産分割協議・遺言書の有効性・贈与・寄与分などの法律が複雑に絡む問題が多くあります。

例えば、法定相続分と遺留分の計算などをしたい場合には、弁護士が法律を基に具体的な計算や分割の割合などを計算してくれます。

手続きの明確化

相続は、法律に則った手続きのルールが存在しています。

司法書士や税理士なども一般的なルールは把握していますが、専門的な手続きだけなど限定的な場合があります。

そのような弁護士に相談をすることで、一般的な相続のルールを正確に把握する事ができます。

例えば、相続放棄や相続登記・相続税の申告など期限がある手続きの流れが正確に把握することができます。

無料相談時に聞くことによって、無駄な手続きや二度手間を防ぐことができます。

トラブルの優先順位

遺産相続時には様々なトラブルが起きます。

弁護士の無料相談を活用することによって、優先順位が明確になりスムーズに手続きを行うことができます。

例えば遺産分割協議が終わっていないが相続税の申告期限が迫ってきてしまった場合の対処などです。

遺産相続のトラブルの回避方法などを教えてもらえる

2つ目は、遺産相続のトラブルの回避方法を知れる点です。

弁護士は、遺産相続時で想定されるトラブルを未然に防ぐアドバイスを求めることができます。

遺産分割協議の進め方

遺産相続で問題になることと言えば、「誰がどの遺産を引き継ぐか」で揉めることが多いです。

弁護士は、揉めてしまう場合の対策を提案することができます。

相続人同士で揉めてしまっている場合には、司法書士・税理士では関与することができません。

実際に弁護士を含めて遺産分割協議を行う際は、無料相談ではなく依頼になりますが、進め方などを把握する事ができます。

法律手続きの透明性の確保

相続手続きは、様々な法律が関わるため「何をしているのかわからない」という不安がある方もいらっしゃいます。

法律に基づいた手続きを行うことで、不満を持つ相続人をできるだけ削減することができます。

特別受益や寄与分に関する考え方

特別受益や寄与分などの、通常では聞かない単語が遺言書などに記載されていた場合に、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

特別受益や寄与分がある場合、受け取れる遺産が減る可能性があります。

そういった場合に、弁護士に相談することで、どのように分割すれば良いかを公平に判断してくれます。

無料相談時に全て解決できるわけではありませんが、計算方法や考え方などのアドバイスを求めることはできます。

相続放棄に関して

被相続人が借金や負債が多い場合、相続放棄をすることで負債を相続しないことができます。

借金や負債がある場合には、相続人が引き継いで返済しなければなりません。

そのような場合に放棄を利用する選択肢があります。

この相続放棄には期限があり、期限を過ぎてしまうと放棄をすることができなくなってしまいます。

弁護士に相談をすることで、タイミングや解決方法などのアドバイスを求めることができます。

こんな場合には弁護士への無料相談の検討を

弁護士に無料するメリットをご紹介しましたが、実際どんな場合に無料相談を活用して相談するべきなのでしょうか。

  1. 相続人同士で揉めている場合
  2. 借金や負債が多い場合
  3. 遺言書が発見された場合
  4. 不動産や証券などの複雑な資産がある場合
  5. 遺産の種類が多い場合
  6. 手続きに不安がある方

上記に該当する場合には、弁護士の初回無料相談を積極的に活用しましょう。

無料相談を積極的に活用することで、複雑な問題を抱えている場合や手続きに不安がある方をサポートすることができます。

無料相談で全ての解決ができるわけではありません。

しかし、無料相談を活用することで様々なアドバイスを受け取ることは確かです。

積極的に初回無料相談を利用することで、適切な解決策を見つけることができます。

無料相談から正式な依頼までの流れ

弁護士に無料相談から依頼するまでにはどのように進んでいくのでしょうか。

  1. 弁護士事務所を探す
  2. 無料相談の予約を確保する
  3. 弁護士と無料相談を行う
  4. 依頼するかどうか決める
  5. 正式に依頼をする

1.弁護士事務所を探す

まずは、無料相談を実施している弁護士事務所を探しましょう。

GoogleやYahooなどの検索で探す。もしくは弁護士会のHPなどで探してみると良いでしょう。

2.無料相談の予約を確保する

無料相談を行っている弁護士事務所が合った場合には、電話もしくはHPから予約を確保します。

いきなり事務所にお伺いすると、弁護士も対応できない可能性があります。

そのため、事前予約を確保するようにしましょう。

3.弁護士と無料相談を行う

無料相談の予約が確保できた場合には、日程に従い弁護士へ相談をしましょう。

弁護士をはじめとした司法書士・税理士・行政書士などの専門家に相談する場合は、「1回無料」ではなく「○時間無料」という形もあります。

自動で更新されてしまうと、無料ではなく有料になる可能性が高いので注意してください。

無料相談時には、どんな問題があるのか、遺産・相続人の状況などを詳しく伝ましょう。

4.依頼するかどうか決める

初回無料相談を行ったあと、その結果を基に依頼する弁護士を決めましょう。

費用・遺産相続の知識・サポート内容などが納得ができれば正式な依頼をしましょう。

弁護士への無料相談時に、他の専門家(司法書士・税理士・行政書士)などの連携があるか確認をしておくと、必要になった際に、弁護士を通して紹介をしてくれます。

後述でご説明しますが、遺産相続の問題やトラブルは法律専門家である弁護士だけでは全て解決できません。

弁護士にしか依頼できない内容があるように、司法書士・税理士・行政書士にしか依頼できない内容も多く存在します。

初回無料相談時に、事前に安い費用でできるかなども確認しておくと、いくつかの見積もりをくれる弁護士も存在します。

5.正式に依頼をする

複数の事務所で初回無料相談を行い、みなさんの要望を叶えられる弁護士が現れた場合には、正式に依頼をしましょう。

依頼の方法は、各弁護士事務所によって異なるため再度電話して、確認を取りましょう。

弁護士に遺産相続の相談・依頼する際の費用の内訳相場一覧

無料相談を活用し、自身にあった弁護士を見つけた後には正式な依頼をすることで弁護士は本格的に動き出します。

ここでは、無料相談から以降の弁護士に依頼する場合の費用の内訳と相場をご紹介します。

遺産相続時に支払う弁護士への費用は、各事務所ごとに異なります。

以前は、「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」という法律によって決められていました。

現在はこの法律は利用されていませんが、この法律基準を基にして料金体系を決めている弁護士も少なくありません。

ここでは、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考に、弁護士費用の内訳と相場をご紹介します。

弁護士に支払う費用の内訳は以下のとおりです。

  • 相談料(初回無料も含む)
  • 着手金
  • 報酬費用
  • 日当
  • 実費
  • その他

上記が一般的に弁護士に支払う費用になります。

相談料(初回無料も含む)

相談料とは、弁護士に遺産相続の相談をした際に支払う費用です。

初回無料相談を実施している弁護士事務所がほとんどですが、最初から無料ではなく有料で受け付けている事務所も存在します。

有料で受け付けている場合の相場は、30分5,000円~1万円程度です。

着手金

着手金とは、弁護士に正式に依頼をする際の費用のことです。

弁護士が正式に動き出すための費用になります。

この項目は、仮に無料相談時や依頼時に提供した報酬基準をクリアできなくても返還されることはありません。

金額は、遺産の種類・遺産の評価額、依頼内容によって異なりますが、おおよそ20万円~50万円程度が相場と言われています。

場合によっては、50万円以上になるケースもありますので依頼内容に注意しましょう。

着手金を無料にする完全報酬制を採用している事務所も存在しています。

着手金は後述する報酬費用と同じように高額になるケースもあります。

そのため着手金が無料の事務所、もしくは分割で支払いが可能な弁護士事務所を探してみてもいいでしょう。

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

以前まで法律で定められていた、日本弁護士連合会報酬等基準を参考にすると以下のような費用になります。

経済的利益の額着手金
300万円以下8%(最低額10万円)
300万円以上3,000万円以下5%+9万円
3,000万円以上3億円以下3%+69万円
3億円以上2%+369万円

報酬費用

報酬費用とは、遺産相続のトラブルや悩みを解決した後に支払う費用です。

この費用は、遺産相続時のトラブル・悩み解決後に得た相続財産などの経済的利益の金額に応じた%がかけられ、算出された金額が報酬費用です。

ここでの経済的利益とは、弁護士に無料相談し正式依頼してもらったことで、依頼主が得た利益のことをいいます。

この費用は、着手金とは異なり依頼した際の成功基準を満たしていなければ、発生しません。

弁護士事務所によって割合が異なる

報酬費用は、無料相談から正式依頼によって得た経済的利益に応じて%がかけられます。

この%は、弁護士事務所によって異なります。

ここでは、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考にご紹介します。

経済的利益の額報酬費用
300万円以下経済的利益×16%
300万円以上3,000万円以下経済的利益×10%+18万円
3,000万円以上3億円以下経済的利益×6%+138万円
3億円以上経済的利益×4%+738万円

例えば、無料相談を得て遺産分割協議への介入を弁護士に依頼した場合を考えてみましょう。

無料相談から正式依頼をした結果、依頼主が600万円の遺産を取得したとします。

この場合、依頼主が得た経済的利益は遺産の600万円となります。

これを基に、報酬費用を計算すると600万円×10%+18万円=78万円となります。

何度もお伝えしていますが、今回ご紹介しているのは以前法律で定められていた基準を利用した場合です。

遺産分割協議の依頼の報酬費用が78万円というわけではありませんので、ご注意ください。

日当

日当とは、弁護士が出張した際にかかる費用のことです。

遺産相続の話し合いを自宅で行う場合の費用です。

日当の場合、半日拘束・1日拘束などで費用が異なります。

実費

実費とは、弁護士が遺産相続に関わる事務的な業務を行う際にかかる費用です。

交通費・郵便代・書類の発行費用・裁判所に提出する際の収入印紙代などが該当します。

遺産相続の事務的な手続きは複雑なため、ご自身で行うこともできますが専門家に依頼することで負担を減らせる事ができます。

今回ご紹介したのは、あくまで以前まで法律で定められていた基準を参考にしております。

そのため、必ずご紹介した費用で収まるというわけではありませんので、必ず無料相談時に費用の相談を行いましょう。

ケースごとに見る 弁護士への費用

遺産相続を弁護士に対し、無料相談から正式依頼をした場合の費用の相場をご紹介しました。

ここからは、遺産相続の具体的な相談とそれによってかかる弁護士費用の相場をご紹介します。

  • 遺言書の作成の依頼で支払う費用
  • 遺産分割に関する交渉で支払う費用
  • 相続放棄に関する依頼で支払う費用
  • 遺留分の侵害に関する交渉で支払う費用
  • 遺言執行に関する依頼で支払う費用
  • 遺言書無効に関する交渉で支払う費用
  • 生前贈与に関する交渉で支払う費用

遺言書の作成の依頼で支払う費用

まずは、遺言書の作成を依頼する場合です。

遺言書を作成する場合には、まずどの遺言書を作成するかによって、費用が異なります。

ここでは、公正証書遺言と自筆証書遺言を作成する際に必要になる弁護士費用をご紹介します。

公正証書遺言の場合

公正証書遺言は、公証役場に行き公証人に作成してもらいます。

具体的に必要な費用項目と相場は以下のとおりです。

費用項目相場
相談料無料~1万円程度
着手金5万円程度
固定報酬費用10万円~30万円
日当 
実費 
公証役場の手数料遺産総額によって異なる
証人手配費用1人あたり1万円前後

遺言書作成は、固定報酬費用

一般的に、遺産相続をはじめとした相談を弁護士にする場合、依頼主の得た経済的利益に対して費用が決まります。

しかし、遺言書作成の場合の依頼主の多くは被相続人であり、遺産を受け取る相続人ではありません。

そのため、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準の経済的利益に該当しないため、各法律事務所・弁護士事務所で設定している固定費用になります。

遺産分割に関する交渉で支払う費用

遺産相続で相続人同士でのトラブルで多い「誰がどのくらい・どの遺産を引き継ぐのか」を決める遺産分割協議。

相続人たちの話し合いに折り合いがつかず、弁護士に依頼する場合にはどのような費用項目と費用が発生するのでしょうか。

今回は、無料相談を受け正式に依頼をした結果、相続人が取得した遺産が1,000万円だった場合をご紹介します。

費用項目費用相場
相談無料~1万円程度
着手金1,000万円×5%+9万円=59万円
報酬費用1,000万円× 10% + 18万円 =118万円
実費+日当5万円(仮定)
合計1,830,000円程度

遺産分割協議は相続人同士で争いになりやすいトラブルです。

トラブルになる前であれば司法書士などが介入できますが、既にトラブルに発展している場合には、弁護士への早めの相談を行うことをおすすめします。

相続放棄に関する依頼で支払う費用

相続人としての一切の権利を放棄する相続放棄を行う場合には、どのような費用が必要になるのでしょうか。

費用項目費用相場
相談無料~1万円程度
実費5,000円~1万円程度
申述代理費用5万円~10万円程度
合計10万円~15万円程度

相続放棄を弁護士に無料相談から正式な依頼をする場合、着手金や報酬費用が発生しないケースがあります。

遺言書作成と同様に、放棄を行うと経済的利益を受け取ることはありません。

そのため、申述書の作成と申述書提出の代理手数料のみを請求されることがあります。

司法書士・行政書士も作成は可能

遺産を放棄する相続放棄の申述書作成は、弁護士以外にも司法書士・行政書士に依頼をすることも可能です。

しかし、相談することができるのはあくまで相続放棄の申述書の作成のみです。

申述書の提出までを依頼したい場合には、法律で代理権を有する弁護士に依頼をすることをおすすめします。

また、税理士には相談をしても申述書の作成依頼を行うことはできませんので注意してください。

遺留分の侵害に関する交渉で支払う費用

不当な遺言書や遺産分割協議にて、相続人が本来受け取れる遺産の総額よりも低い金額を受け取る事になった場合には、遺留分侵害額請求を行います。

この請求を弁護士に無料相談から正式依頼を行う場合に、どのくらいの費用が必要になるのでしょうか。

遺留分侵害額請求を行う際には、3つ方法があり請求・調停・訴訟の3つがありそれぞれ費用が異なります。

それぞれ費用の計算方法が異なりますので、気になる方はこちらをご確認ください。

遺言執行に関する依頼で支払う費用

遺言書の内容を実現するために様々な手続きを行う遺言執行を、弁護士に依頼する場合にはどのような費用が発生するのでしょうか。

遺言執行者への支払いは、相続人全員で負担をしますが相続人・遺産の総額などによって費用が異なります。

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準では、遺言執行に関する費用について定められています。

経済的利益の額費用相場
300万円以下30万円
300万円以上3,000万円以下2%+24万円
3,000万円以上3億円以下1%+54万円
3億円以下0.5%+204万円

遺産の総額を基準として、相続人全員で負担をします。

着手金は通常発生しない

遺言執行に関しては、通常着手金は発生しません。

これは、遺言書作成時に無料相談・依頼の際に着手金が含まれていることや弁護士が手続きを行う範囲が限られているなどの理由があります。

さらに、遺言執行は報酬金が基本となっており訴訟のような最初に着手金を支払うという構造になっていないことも関係しています。

ただし、あくまで旧日本弁護士連合会報酬等基準を参考にしており、現在この法律は廃止されているため無料相談時などに弁護士に質問しておくことをおすすめします。

遺言書無効や生前贈与に関する交渉で支払う費用

不当な遺言書や、生前贈与されていた場合に、弁護士を通して交渉を行う場合には、どのような費用が発生するのでしょうか。

この場合は、前述でご紹介した着手金と報酬費用の基準が基本的には適用されます。

ただし、弁護士費用は自由に設定できるように法律が廃止されたため、必ず無料相談などを受けて費用の相場を確認することをおすすめします。

無料相談後の依頼で実際に費用は誰が支払う?

弁護士への相続相談を行う際には、費用が発生します。

無料相談には、費用が発生しません。

しかし、無料相談後に実際の依頼を行う場合には、費用が発生します。

そのような場合には、誰が費用を支払うのでしょうか。

基本的には依頼人が支払う

弁護士への無料相談後に依頼をして、様々な手続き・対策を行う際には原則「弁護士に依頼をした人」が費用は支払います。

遺産分割協議で、相続人同士が揉めている場合の仲介として依頼をした場合でも、ご自身で依頼をした場合には、費用は自己負担になります。

反対に、他の誰かが弁護士へ依頼をした場合には、みなさんが費用を支払う必要はありません。

弁護士へ支払う際には、依頼人が基本的に費用を払いますが、場合によっては相続人全員で払うことも可能です。

しかし、分割で支払えるかどうかは、無料相談や依頼する弁護士によって異なるため、確認を必ずすることをおすすめします。

遺言書の場合は、被相続人

遺産の分割方法などを事前に決めることで、相続人同士の争いを防ぐ事が可能ものが遺言書です。

遺言書を作成する際に、弁護士などに依頼をして作成をする場合には、依頼した被相続人が弁護士費用を負担します。

こちらは、公正証書遺言・自筆証書遺言などの遺言書の種類に関係なく、依頼をした被相続人が費用を支払います。

公正証書遺言

公正証書遺言は、自筆証書遺言と異なり、さらに費用が必要になります。

公正証書化する際の費用や、弁護士を証人にする場合などには、別途費用が必要になり、その費用も依頼した被相続人が負担をします。

遺言執行の場合は、相続人全員

遺言執行者とは、被相続人が作成した遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行う者です。

確実に内容を実現し、相続手続きや遺産分割強がスムーズに行われるようにする役割を担います。

弁護士に遺言執行者を依頼する場合の費用は、相続人全員で負担をします。

ただし、相続で受け取れる財産の金額は被相続人との続柄によって、異なります。

そのため、受け取った相続財産の金額を超過しない額とされています。

例えば、受け取った遺産の金額が、3分の1の場合は弁護士費用の3分の1以上を負担させることはできません。

また、相続人全員の合意があれば、1人に負担をさせることも可能です。

放棄した人は負担はない

遺言書に記載されていても、本人が相続放棄を行った場合には執行者にかかる費用を負担する必要はありません。

相続放棄は、相続に関わる一切の権利を放棄するため、遺産を受け取りません。

その人に対しては権利義務はないため、費用を支払う必要はありません。

遺産相続の無料相談後でも高額になりやすいケース

弁護士への遺産相続の相談をする場合、司法書士や税理士よりも高額になる可能性があります。

どのような場合に、無料相談後の弁護士費用が高額になるのでしょうか。

ここでは3つの状況をご紹介します。

①遺産の種類が多く・総額が大きい場合

1つ目は、遺産の総額が大きい場合です。

弁護士の費用は、相続で取得した遺産の金額によって得た経済的利益によって弁護士への報酬制度が決まります。

遺産の種類が多く、評価額が高額な場合、相続人が受け取る遺産も大きくなります。

弁護士への無料相談を行う際に、大まかな遺産の金額を把握できていれば、おおよその弁護士費用も把握することができます。

②調停・審判など話し合いでは解決しない場合

遺産分割協議が進まない場合、調停や審判に発展することがあります。

そうなった場合、通常の遺産相続の手続きにかかる報酬費用だけではなく別途費用が必要な場合があります。

また、調停や審判に発展する場合、その段階ごとに費用が発生するため、高額になりやすいです。

さらに裁判所までの交通費や日当等も追加で必要になるため、注意しましょう。

③複数の手続きを相談・依頼する場合

遺産相続は、様々な問題があるため複数のトラブルや手続きを弁護士に依頼することがあります。

例えば、遺産分割協議以外に遺言書の有効性や遺言執行者として選任するなどの場合と遺産分割協議だけでは弁護士に依頼することに変わりはありませんが、費用が異なります。

事前に弁護士費用の予算を伝えておくことで、できることを検討してくれます。

無料相談だけでは全ては解決できませんが、高額になりやすいケースを把握・対策などを把握しておくだけでも費用を抑える事ができます。

弁護士への費用が支払えそうにない場合の対処は?

無料相談後に依頼をする場合の様々な費用についてご紹介してきました。

しかし、弁護士に依頼をする場合には無料ではなく有料になります。

場合によっては、金額が高額になる可能性も否定できません。

そのような場合には、どのような対処をすればいいのでしょうか。

①無料相談の活用

1つ目は無料相談を活用しましょう。

初回の相談は無料で行ってくれる弁護士事務所は多くあります。

そのため、依頼をする前はなるべく無料相談を活用してみましょう。

初回相談も無料ではなく有料で行っている事務所もありますので、必ず弁護士のHPなどを確認しましょう。

無料だからといって、有料よりも質が悪いということはありません。

ただし、無料も有料も時間制限はありますので、注意しましょう。

②複数の事務所で相見積りを取って比較する

2つ目は、複数の事務所で見積もりを取ることです。

なるべく費用を抑えるためには、無料相談を活用し様々な事務所に無料相談を行いましょう。

見積もりを取るまでは、基本的には費用はかかりません。

前述で、弁護士にかかる費用をご紹介しましたが、料金の仕組みなどは依頼する弁護士によって異なります。

事前に弁護士に支払える金額を提示することで、依頼可能な範囲を把握してみてもいいでしょう。

必ず同じ内容で相談をする

複数の弁護士に、無料相談等を活用し見積もりを取る場合には必ず同じ内容での相談を行いましょう。

相談や依頼したい内容が、弁護士事務所によって異なると費用の幅が大きく変わります。

そのため、無料相談時には必ず同じ内容で相談をして見積もりを取りましょう。

③費用の分割払いを相談

以前までは法律によって、弁護士費用は決まっておりました。

現在は弁護士事務所ごとに自由に料金設定ができるようになっております。

そのため、着手金や報酬費用などを分割で支払う対応をしている弁護士事務所も多く存在します。

弁護士への費用は、他の専門家(税理士・司法書士・行政書士)などに比べると高額になりやすいです。

そのため、まとまってお金を支払いことが難しい場合には、分割払いが可能であるか相談してみましょう。

ただし、全ての弁護士事務所が分割払いに対応しているわけではありませんので、無料相談時に分割払いが可能であるか、その条件なども合わせて相談しておくと良いでしょう。

④法テラスの制度を利用する

弁護士に依頼する際の費用が、高額になると経済的に支払いが難しい場合があります。

そのような場合には、法テラスの、民事法律扶助制度を利用することをおすすめします。

法テラスとは、国によって設立された法律問題の総合案内所です。

相続以外にも、借金・離婚など法律が複雑に関わる問題がある場合には無料相談をすることができます。

費用の立替制度

弁護士や司法書士への無料相談で、遺産相続の問題が解決しない場合、弁護士や司法書士への費用の立替を利用することができます。

ただし、建て替え制度を活用することができますが収入や資産が一定基準以下であることが条件があります。

法テラスは、経済的に困難な方を対象にしているため、以下3つの条件を満たす必要があります。

  1. 収入や資産が一定基準以下であること
  2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと
  3. 民事法律扶助の趣旨に適すること

上記の条件を全て満たすことで利用することができます。

詳しい詳細については法テラスのHPをご確認ください。

参照:法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

準備・抑えておきたいポイント

実際に弁護士、相続を含めた法律問題を相談する際には、どのような準備をする必要があるのでしょうか。

ここでは、無料相談から依頼を行う際に準備しておきたいポイントを3つご紹介します。

  • できるだけ相続人・財産・問題をリストアップしておく
  • 早めに相談をする
  • 素直に話す
  • 他の専門士業(司法書士・税理士)への依頼も考えておく

できるだけ相続人・遺産・問題をリストアップしておく

まずは、相続人や財産・問題などをリストアップしておきましょう。

相続は遺産分割だけが問題ではありません。

相続税がかかる場合の納税資金や認知症対策など様々な問題があります。

無料相談を行うにしても何も準備してないまま、無料相談を活用するのは得策ではありません。

相続人・遺産・気になっている問題など把握できる部分はなるべく把握してから相談をしましょう。

相続人は、戸籍謄本などで把握することができます。

遺産の総額に関しては、相談者が被相続人であれば財産目録などを作成しておきましょう。

早めに相談をする

遺産相続のトラブルが起きそう・起きてしまっている場合には早めに無料相談を活用しましょう。

問題が深刻化し、家族間の仲が悪くなってしまうことは、亡くなった被相続人が最も望んでいないことです。

早めに相談をしておくことによって、深刻化する前に解決しましょう。

素直に話す

特に無料相談を活用する際には、素直に状況を伝えましょう。

無料相談時と依頼時で遺産や相続人の状況が変わることはありますが、必ず素直に伝ましょう。

特に遺産分割などで揉めている場合には、主観的意見になりがちです。

そうなるとご自身に不利なことは、無料相談時に伝えないなどのことをしてしまうと、みなさんの望む結果を得ることが難しくなります。

弁護士にトラブル解決を目的で相談する場合、法律が複雑に絡まる場合があります。

素直な状況を把握することで、法律の専門家である弁護士は、最善の策を練ることができます。

他の専門士業(司法書士・税理士)への依頼も考えておく

遺産相続の問題は、弁護士だけでは解決ができない場合があります。

弁護士は法律の専門家ですが、税金や登記、認知症の専門家ではありません。

問題に応じて、相談する専門家が異なります。

一般的に、相続トラブルや事前対策の専門家は弁護士・司法書士・税理士・行政書士です。

ここでは、それぞれの専門家に相談できる内容をご紹介します。

専門家相談できること
弁護士代理人としての業務/トラブル解決
司法書士相続登記(不動産の名義変更)/認知症対策(家族信託等)
税理士相続税の申告手続き/相続税対策
行政書士車の名義変更/必要書類の作成

弁護士に相談をすることで、法律や遺産分割に関するトラブルは解決できますが、登記や相続税に関する対策は司法書士や税理士にしかできません。

状況によっては、弁護士以外に司法書士・税理士への依頼をする場合もあることを念頭においておきましょう。

弁護士事務所によっては、司法書士・税理士・行政書士と連携している事務所も存在しております。

ただし、連携が少ない場合には司法書士や税理士・行政書士などへの相談は、みなさんが行うことになります。

それ以外にも、複数の弁護士に相談することや無料相談を積極的に活用する・法テラスを利用するなど様々な対応策があります。

どれにすればいいかわからない場合は、相続しあわせ支援協会が提供するしあわせ相続診断をご利用ください。

年間100件を超える遺産相続の相談を解決してきた相続の専門家がみなさまをサポートいたします。

初回無料相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

記事のまとめ

今回は、遺産相続に関して弁護士にかかる費用の相場を無料相談から正式な依頼をした場合までをご紹介しました。

遺産相続は様々な原因でトラブルになります。

既に相続人同士でトラブル担っている場合には、司法書士や税理士には依頼をすることはできません。

無料相談を積極的に活用することで、費用の相場を把握することができます。

必ずしも無料相談を受けたからといって解決するわけではありませんが、無料相談を積極的に活用することによって弁護士の雰囲気や専門分野などを把握することができます。

信頼できる弁護士であるかを見極めるためにも、まずは無料相談を活用してみることをおすすめします。