相続手続きを司法書士に依頼した場合の費用相場はいくら?

相続時に司法書士への相談は費用を抑えられる!

司法書士に相続の手続きを依頼する場合、多くは「登記手続き」に関する依頼ではないでしょうか。 たしかに、司法書士は登記の専門家ですが登記だけではありません。 相続人・遺産の調査から様々な依頼をすることができます。 本記事では、司法書士に手続きを依頼する場合に必要になる費用の相場を、具体的なケースを合わせてご紹介します。
また、信頼できる司法書士を選ぶためにみなさまに抑えてほしいポイントもご紹介しておりますので、他の専門家との検討をしている方は、ぜひ一度ご参照ください。

遺産相続で必要になる司法書士の費用項目

実際に、司法書士に手続きの依頼を行う場合には、費用を支払う必要があります。
この費用とは、報酬費用だけではなく他の費用も全て含まれております。
実際に、司法書士に依頼する場合には、主に実費と報酬費用の2つに大きく分類されます。

実費

実費は、戸籍謄本や住民票などの発行費用や相続登記を依頼する場合の、登録免許税(登記登録をするための費用)などの費用が該当します。
この実費は、ご自身が相続手続きを行った場合でも、必要になる費用です。
そのため書類の準備などは自身で行い、手続きだけを任せたい場合には費用を軽減できる可能性がありますが、場合によっては追加で費用が必要になることがあるので注意してください。

報酬費用

報酬費用とは、依頼した内容が成功した場合に支払う費用です。
報酬額は、各司法書士事務所が決めることができるため、相談する事務所によって金額が異なります。
しかし、司法書士法と呼ばれる司法書士の資格、業務、登録、懲戒などについて定められている法律によって、報酬規程を定めているところがほとんどです。
しかし、報酬規程を見ている時間がない・どうやって見たら良いかわからない。という方も中にはいらっしゃいます。
そのような方は、依頼前に見積もり書を作成してもらうなどを行いましょう。

6つのケースごとにみる費用相場と支払先

相続手続きに、司法書士へ基本的な項目をご紹介しました。
司法書士には、登記を依頼できる専門家ではなく他の相続に関する相談も、司法書士にすることが可能です。
ここからは、実際に依頼する内容とともに司法書士に支払う費用をご紹介します。

ケース①遺言書の作成サポート

まずは、遺言書の作成サポートです。
被相続人には、相続財産を誰に引き継がせるかを生前に決めることができます。
この生前に決めた内容を記した書類のことを遺言書と言います。
遺言書には、いくつか種類がありますが、司法書士に依頼する場合は自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかになります。

項目実費報酬費用公証人手数料証人へ支払う費用
自筆証書遺言作成サポート5,000円程度5~10万円
公正証書遺言5,000円程度10~20万円遺産の総額によって変更1万円~2万円程度

種類によって作成者がことなる

自筆証書遺言の場合、作成するのは司法書士ではなく遺言者本人です。
そのため、自筆証書遺言の相談を依頼する場合は作成ではなく、作成のサポートであることに注意してください。
自筆証書遺言を司法書士が、作成してしまうと無効になります。
そのため、自筆証書遺言に関しては作成方式などの相談になります。

誰が支払う?

遺言書の作成サポートを依頼した場合に、司法書士へ報酬を支払うのは、遺言者(被相続人)になります。
また、費用に関しては作成する遺言書の種類によって支払う金額が異なりますのでご注意ください。

ケース②相続財産・相続人の調査

遺産・相続人の調査を司法書士に依頼する場合は以下の費用が必要になります。

項目実費報酬費用
相続人調査5,000円~1万円3万円円〜5万円円
遺産調査5,000円~1万円5万円〜8万円

ここでの実費には、戸籍謄本等の書類発行手数料になります。
遠方に相続人がいる場合には、郵送費用なども必要になるため高額になる可能性も否定できません。
司法書士以外のほとんどの専門家に依頼をすることができます。

誰が支払う?

相続財産・相続人の調査を依頼する場合には、原則依頼した依頼者が支払います。
生前に被相続人がスムーズな相続手続きのために、予め調査をすることがあります。
そのような場合には、被相続人が司法書士へ費用を支払います。
反対に、相続が開始された後に依頼する場合には、依頼した相続人が調査費用を支払います。

ケース③遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は、遺言書がない場合に相続人全員で話し合いをして、遺産の引き継ぎ先を決めます。
この話し合いのことを遺産分割協議といい、内容をまとめた書類を遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書の作成を、司法書士に依頼する場合には、以下の費用が必要になります。

項目報酬費用
遺産分割協議書作成5万円程度

遺産分割協議書の作成は、弁護士に依頼するよりも少し低いです。

揉めている場合には司法書士に依頼ができない

相続では、相続財産の分け方でトラブルに成る可能性があります。
特に不動産などでは分割方法について揉めることが多くあります。
不動産は、土地や建物などの分割しにくい財産と言われています。
不動産の分割だけではありませんが、相続人同士で何かしらのトラブル(争族)になっている場合には、司法書士に依頼をすることができません。

そのような場合には、弁護士へ依頼をする必要があります。

弁護士への依頼費用については、こちらをご参照ください。

誰が支払う?

遺産分割協議書の作成を依頼する場合には、相続人が費用を支払います。
基本的に、相続人が遺産を引き継いだ際に費用を支払います。

ケース④相続放棄・限定承認の申述書の作成

遺産の中には、借金やローンなども含まれるため引き継ぐ場合には、その負債も追う必要があります。
負債を負いたくない場合は、相続放棄や限定承認などを活用することで、負債を回避することができます。
放棄・限定承認には、申述書を作成しなければならず司法書士には、申述書の作成を依頼することができます。

項目報酬費用
申述書の作成2万円~5万円程度

ここで注意しなければならないのは、司法書士には「申述書の作成のみで、申立てはできない」ということです。
申立てまでを行う場合には、司法書士ではなく弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼をすることで、報酬費用は高額になる可能性もありますが、申述書の作成から申立て手続きまでを依頼することができます。

誰が支払う?

相続放棄や限定承認を依頼する場合には、基本的には依頼した人が費用を支払います。
相続放棄は、単独でも行える手続きのため申述書の作成をそのまま司法書士に依頼することができます。
しかし、限定承認は相続人全員の合意がなければ手続きを行うことができません。
限定承認の場合は、代表となる相続人が司法書士へ費用を支払います。

ケース⑤不動産の相続登記の申請依頼

不動産の相続登記とは、不動産を引き継いだ際に行う名義変更のことで、不動産の場合は登記といいます。
相続登記は、司法書士にしか依頼をすることができません。
登記手続きを依頼する場合に、かかる費用は以下の通りです。

項目報酬費用
登記申請書などの必要書類の収集2,000円~10,000円
登録免許税固定資産税評価額の0.4%
報酬費用5万円〜15万円

登記申請書などの書類の準備には、戸籍謄本や住民票・固定資産税評価額証明書などが含まれています。
これらの書類は、不動産登記以外の相続手続きでも必要になります。
1通1通の費用は、そこまで高くなりませんが必要に応じて追加で取得しなければならない書類がある場合には、追加で発行手数料が発生します。
報酬費用は、「平成30年の司法書士の報酬について」というアンケート結果を参考にしております。
少し古いアンケートになるため、ご紹介した金額以上になる可能性もありますが、地域によって報酬費用の相場がことなるため、5万円~15万円程度が妥当だと言えそうです。

参照:日本司法書士連合会(司法書士の報酬と報酬アンケート)
https://www.shiho-shoshi.or.jp//cms/wp-content/uploads/2014/02/7b6902377d481ddc7fe33ced428ce7cd.pdf

誰が支払う?

不動産の相続登記に関しては、新たに不動産の所有者(登記簿に記載される方)が費用を支払います。
不動産の相続登記手続きに関しては、司法書士に登記申請書の作成から法務局への申請代行まで依頼することができます。
その場合、登記申請書の作成だけではなく追加で費用が発生する可能性もありますので、注意してください。
そのため、自身では不動産の登記手続きが難しいと判断した場合には、はじめから司法書士へ相談をしましょう。

ケース⑥銀行預金の解約・払戻し

銀行預金を引き継いだ場合でも、名義変更手続きをしなければ口座からお金を引き出すことはできません。
銀行預金を引き継ぐ場合には、以下の費用が必要になります。

項目報酬費用
必要書類の準備5,000円程度
報酬費用3万円~5万円

必要書類の中には、金融機関が指定する書類の提出が求められる場合があります。
そのため、預金を引継ぐ場合には必ず金融機関へ連絡をしましょう。

また、相続が開始されると被相続人の財産を守る観点から口座が凍結されます。
口座が凍結されると、名義変更を行うまでの間は口座からお金を引き出すことができなくなります。
葬儀費用などの費用をすぐに準備ができない場合には、預金の仮払い制度を活用することで預金の引き出しが可能になります。
しかし、制度を活用する場合でも、一定の手続きが必要になりますので、司法書士を初めとした専門家へ相談を行いましょう。

誰が支払う?

銀行預金に関しては、不動産の登記手続きと同様に名義人となる方が、費用を支払います。
不動産の登記などに比べれば、費用は比較的抑えて依頼ができるため、個人で行うことも可能です。
しかし、金融機関は土日祝は受付がしまっているため、会社を休む必要がある可能性も高いです。
スムーズに手続きを進めたい場合には、専門家へ依頼をしましょう。

相続に強い司法書士の選び方

相続手続きを司法書士に依頼する場合の、報酬費用をご紹介しました。
しかし、どの司法書士にも依頼できるわけではありません。
ここでは、相続に強い司法書士の選び方をご紹介します。

実績を公表している

司法書士の業務は、不動産の登記だけではありません。
司法書士には、前述でご紹介しているように様々な業務を依頼することができます。
そのため、どの司法書士でも対応ができるわけではありません。
そこで、HPやSNSなどで、相続に関する実績を確認しましょう。
登記だけを依頼する場合は、どの司法書士にも依頼することができます。
しかし、相続登記だけではなく遺産・相続人の調査や遺産分割協議書の作成など「登記」以外の相続に関わる手続きを依頼しようと検討している場合には、必ずHPやSNSなどを確認しましょう。
同じ相続手続きでも、得意な分野が異なる可能性があります。
不動産登記以外の実績がある司法書士を選ぶと良いでしょう。

報酬費用が明確になっている

司法書士に支払う、費用は主に実費と報酬費用とご紹介しました。
現在は、司法書士に支払う報酬費用は、各事務所ごとに異なります。
相場はご紹介しましたが、必ずご紹介した金額通りに手続きを依頼することはできません。
また、「安い」という理由だけで選んだ結果、追加の費用が発生した。というケースも少なくありません。
そのため、初回無料相談などを活用し、依頼しようと考えている内容で費用がどのくらいかかるのか。
または費用を正確に伝えてくれる司法書士を選びましょう。

複数の司法書士に相談してみる

相続手続きは、みなさまの状況やプライベートな内容を話さなければなりません。
そのため、適切なコミュニケーションが取れるか・迅速なレスポンスが返ってくるのかなどの、司法書士との相性も重要になります。
また、司法書士に依頼する内容は、不動産の登記手続きだけではなく様々な依頼をすることがあり、関係性は1年以上に渡る可能性もあります。
そのような場合に、司法書士との相性が悪いと相談したいことが、相談できない可能性もあります。
また、報酬費用も各事務所によって異なるため、費用の相場を確かめるためにも、複数の司法書士へ相談をしましょう。
多くの司法書士が、初回無料相談を行っているため、登記手続きだけと思わずに何人かの司法書士へ相談をしてみると、相性と費用がマッチする司法書士を選ぶことができます。

知り合いに司法書士がいない場合は相続ぽるとへ

司法書士を選ぶポイントをご紹介しましたが、「知り合いに司法書士がいない」という方も多いのではないでしょうか。
そのような場合には、相続ぽるとのしあわせ相続診断をご利用ください!

年間100件以上の相談実績のある専門家

しあわせ相続診断では、年間100件以上の相続に関する相談実績のある専門家が、みなさまのお話をまずじっくりお伺いします。
不動産の登記だけではなく、登記後の不動産の活用方法や相続税に関するお悩みなど、相続に関する全般的なお悩みを専門家が解決します。

その相談、専門家にするべきなのか相談できます

「なんとなく不安だけど、専門家に相談するべき内容なのかわからない」
「専門家に相談した際の報酬がわからないから、中々相談できない」
このようなお悩みの方も、多くいらっしゃいます。
たしかに、はじめから司法書士や弁護士に相談するのは、ハードルが高く感じます。
わたしたちは、まずみなさまのお話をお伺いし、「専門家に相談するべき相談なのか」を一緒に考えます。

必要な専門家を必要に応じてご紹介

初めに相談をした専門家に、相続手続きを依頼するのはあまりおすすめできないと言います。
なぜなら、その専門家が得意とするサービスを押し付けられてしまうからです。
相続は全て同じ状況はなく、ご家族ごとに対策するべき内容や準備するものが異なります。
しあわせ相続診断では、相続の専門家がみなさまの状況をじっくりお伺いし、必要に応じて最適な専門家をご紹介しております。

相談の窓口を1本に!

相続では、司法書士だけではなく様々な専門家(弁護士・税理士・行政書士)と協力をしなければ、手続きをスムーズに行うことができません。
しかし、そのような場合にはみなさまが各専門家に連絡を取らなければならず、手続きの負担が増えてしまいます。
しあわせ相続診断では、私たちが各専門家の連絡窓口となり、ご相談者様の負担を大きく軽減します。
私たちに、ご連絡をいただくと私たちから各専門科へ連絡を行い、専門家とのやり取りも伴走し、フォローを行うサポート体制を準備しております。

しあわせ相続診断は、今何をするべきかを具体的にご案内します。
少しでも不安がある方は、初回相談無料のしあわせ相続診断をご利用ください。

記事のまとめ

今回は、司法書士に相続相談を依頼する場合の報酬費用などの相場をご紹介しました。
相続時に、相続人同士でトラブルが起きていなければ弁護士に依頼をするよりも、報酬費用を抑えて手続きを依頼することができます。
遺産の中に不動産がある場合には、登記手続きが必要になります。
登記手続きは、登記申請書の作成から法務局への申請まで司法書士に依頼することができます。
また、登記手続きは司法書士にしか依頼をすることができないため、不動産がある場合には司法書士に依頼をすることをおすすめします。
司法書士には登記手続き以外にも、幅広く手続きを依頼することができます。
ただし、近界ご紹介したのはあくまで費用の相場のため、実際どのくらい報酬費用がかかるかわからない場合には、複数の司法書士に相談をしてみるといいでしょう。
知り合いに司法書士がいない場合や、初めから専門家へ依頼するハードルが高いと感じる方は、しあわせ相続診断をご利用ください。